
今夏のバルセロナ退団が噂される2人の下部組織出身選手について、スペインメディア『マルカ』や『アス』などが9日に報じている。22歳の左サイドバック、アレハンドロ・バルデと同歳のミッドフィルダー、マルク・カサドがその対象だ。
バルセロナはハンジ・フリック監督のもとでラ・リーガ連覇を達成したが、今夏の移籍市場ではさらに戦力を強化する方針。ニューカッスルからイングランド代表FWアンソニー・ゴードンの獲得に加え、アトレティコ・マドリードのフリアン・アルバレス、マンチェスター・シティ退団が確実なベルナルド・シウバ、チェルシーのマルク・ククレジャらにも関心を示している。
一方で、ラ・マシア出身のバルデとカサドには退団の可能性が浮上。バルデは今季公式戦42試合に出場したものの、1月にアル・ヒラルからレンタル加入したジョアン・カンセロの影響で不動の地位を築けず、バルセロナは適切なオファーがあれば売却を認める構えだ。
カサドは激しい中盤の競争に阻まれ、十分な出場機会を得られていない。昨季ブレイクしてスペイン代表デビューを果たしたが、今季の先発はわずか15試合。関係者が語るところによれば、選手本人はクラブとの完全な決別を望んでおらず、レンタル移籍が現実的な選択肢と報じられている。
バルデにはマンチェスター・シティが、カサドには日本代表FW南野拓実が所属するモナコやサウジ・プロフェッショナルリーグのクラブが関心を寄せている。両選手の去就は同じポジションを主戦場とするB・シウバやククレジャの獲得にも影響を与える可能性が高い。
バルセロナの財政状況は依然として厳しく、若手選手の売却は資金調達の有効手段となる。ラ・マシア出身選手は会計上、全額が純利益として計上できるため、クラブは移籍市場での柔軟性を高める目的もあって放出を検討しているとみられる。
バルデは2023年夏にトップチーム昇格後、左サイドバックのレギュラーとして期待されたが、故障もあって伸び悩んだ面がある。今季終盤にハムストリングを負傷し、約1カ月の離脱を経験したことも評価に影響した。
カサドは中盤の万能性が評価され、昨季はブレイクを遂げたものの、今季はペドリ、ガビ、デ・ヨングらとの競争に敗れた。元スペイン代表監督ルイス・デ・ラ・フエンテは「彼には将来性がある」と語るが、出場機会確保が優先事項となっている。
バルセロナはすでにマンチェスター・シティとB・シウバの交渉を進めており、ククレジャの獲得にも動いている。両選手とも移籍金が高額になることが予想され、バルデやカサドの売却で得た資金を充当する計画だ。
また、バルセロナはフリック監督の下でチームの年齢構成を若返らせる方針も掲げている。30歳以上の選手を整理し、中核となる22~25歳の選手層を厚くするため、移籍市場では放出と獲得のバランスを慎重に取る必要がある。
バルデの代理人は「彼はバルセロナで成功したいと強く願っている」とコメント。しかし、クラブ側の財政的な必要性とポジションの競争を考慮すると、残留は困難な情勢だ。移籍先としてマンチェスター・シティは最優先候補とされる。
カサドの状況は異なり、モナコがオファーを準備している一方、サウジアラビアからの関心も高い。給与面ではサウジクラブが有利だが、カサドは欧州でのキャリア継続を望んでいるとされる。
バルセロナは今冬にもカンセロの買取オプションを行使する可能性があり、その場合バルデの放出はさらに現実味を帯びる。カンセロ自身は期限付き移籍ながら好パフォーマンスを見せており、クラブ幹部は買取を前向きに検討している。
一方、カサドの移籍が実現すれば、中盤の控えとしての層が薄くなるため、バルセロナは別のミッドフィルダー獲得も視野に入れる。チーム編成は複数の移籍が連鎖的に動く可能性があり、今夏のバルセロナの移籍市場は活況を呈しそうだ。
バルセロナは近年、ラ・マシア出身選手を積極的に売却し、その資金で即戦力を補強する戦略を取ってきた。今回のバルデ&カサドの動向は、クラブの未来を左右する重要な決断の一つとなるだろう。