
サイバー攻撃による大規模障害と顧客流出を経験したアスクルは、物流機能の回復と大規模な値下げで反転攻勢に打って出た。しかし中小企業の顧客戻りは依然として不透明であり、利益回復の道筋と「本気プライス」復活の真価が問われている。
2023年に発生したサイバー攻撃では、受注システムが停止し、多くの顧客が他のECサイトに流出。売上高は一時的に急減した。アスクルは復旧に数か月を要し、信用回復が急務となった。
同社は今年、過去最大規模の販促キャンペーンを実施。日用消耗品を中心に大幅値下げを行い、顧客の再獲得を狙う。これは物価高が進む中での「時代に逆行する」戦略と捉える向きもある。
だが、背景にはサイバー被害以前から抱えていた課題がある。競合の台頭や大手ECプラットフォームの拡大により、中小零細企業向けの強みが薄れつつあった。今回の値下げは、そうした構造問題への対応策でもある。
今後の焦点は、値下げによる集客が利益を圧迫しないかどうか。物流コストの上昇や人件費増にも直面する中、持続可能なビジネスモデルを構築できるか。アスクルの真価が試されている。