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麻辣湯といえば「辛さ」が主役と思われがちだが、いま「七宝麻辣湯」で0辛スープが静かなブームを呼んでいる。辛さを抑えたどころか、辛味なしで“一番美味い”と評されるその一杯を生んだのは、ラーメン評論家として知られる「神の舌を持つ男」石神秀幸氏だ。
石神氏は数々のラーメンを「味覚」で評価してきた人物。七宝麻辣湯はその石神氏がプロデュースする麻辣湯専門店で、スープの開発段階から「辛さ」ではなく「うま味」を中心に設計してきたという。0辛スープはその思想が最も色濃く出た一杯で、唐辛子に頼らない奥深いコクが生まれる。
0辛のスープを支えるのは、長時間かけて煮出す白湯ベースと、十数種の薬膳素材。石神氏は「辛さで誤魔化さないからこそ、素材の質とバランスが厳しく問われる」と話す。甘みや苦味、香りの層が重なることで、辛くなくても満足感のある味わいが完成するという。
さらに同店では「黒湯」と呼ばれる進化系スープも登場している。黒い見た目は、焦がし野菜や黒ごま、独自にブレンドした薬膳を加えることで生まれるもので、0辛との相性も抜群。石神氏は「黒湯は七宝麻辣湯の新しい表現です」と語り、スープ自体の可能性を広げている。
辛さの向こう側にある味の深み。七宝麻辣湯の0辛ブームは、麻辣湯の常識を塗り替えるだけではなく、ラーメン評論家の舌が追求する「味への執念」そのものを体現している。次に訪れるとき、あえて0辛を選ぶ人がさらに増えそうだ。