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「敵の懐に飛び込む」テレビ戦略の行方 ソニーとTCL合弁、パナソニックは中国企業と協業

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Yuki Tanaka
経済 - 05 7月 2026

かつて「家電の王様」と呼ばれたテレビ。利益率の低さから中国系資本のブランドが市場を席巻している状況を踏まえ、国内勢が収益構造を変革している。ソニーグループは中国TCLと合弁会社を設立し、パナソニックホールディングス(HD)は欧州・北米で中国企業と協業。開発から販売までを自社で抱え込まずに、価格競争で優位にあるライバルと組むことで、自社ブランドや優れた技術を生かす戦略だ。

多くの家電量販店のテレビ売り場で近年、目立つようになっているのが「TCL」「ハイセンス」などの中国ブランドだ。比較的安いだけでなく、品質も上げてきている。こうした情勢をみて、国内勢は相次ぎ戦略的転換に打って出た。

ソニーグループは今年3月、TCLと合弁会社「BRAVIA」を設立し、テレビなどホームエンターテインメント事業を移管すると発表した。新会社にはTCLが51%、ソニーが49%を出資する。

ソニーは「培ってきた高画質・高音質技術やブランド力、サプライチェーン(供給網)などを基盤に、TCLの先端ディスプレー技術や世界規模の事業基盤、コスト競争力、垂直統合型サプライチェーンの強みを生かす」と説明。製品には「ソニー」「BRAVIA」の名称を付け、「設計思想」を重要な基盤として活用していくと強調する。

パナソニックHD傘下の事業会社も4月から、欧州・北米で中国スカイワースとの協業に踏み切った。スカイワースが販売・物流を主導するが、パナソニックHDは「画質・音質などの当社DNAを生かす共同開発を進め、パナソニックTVとしての技術・品質水準を確保する」と説明する。

「敵の懐に飛び込む」とも呼べそうな両社の動きの背景にあるのは、シェア低下だけでなく、テレビ1台あたりの利益がじわじわとやせ細っている事情がある。

調査会社オムディアによると、売れ筋の65型4K液晶テレビの平均的な販売価格は2024年時点で427ドル(約6万9000円)。この売り上げから、画面となる液晶パネルや半導体、輸送費、宣伝費、購入後の修理対応といった費用を差し引くと、手元に残る利益はわずかだ。

なかでも費用の大半を占めるのがパネル。調査会社トレンドフォースによると、テレビ用パネルは今年1月から4月にかけて値上がりが続いた。サッカーワールドカップも需要を押し上げた。韓国LGエレクトロニクスが25年、テレビを含む部門で約7509億ウォンの営業赤字に陥っていることからも、利益を出しづらい構造が見て取れる。

戦略転換により、家電売り場を彩ってきた国内のテレビブランドが生き残れるかどうかが、これから試される。

日本のテレビ事業はかつて、ブラウン管から薄型テレビへの転換で主導的役割を果たした。「AQUOS(アクオス)」ブランドで一世を風靡(ふうび)したのがシャープだ。同社は三重県亀山市で液晶パネルから組み立てまで一貫生産する「亀山モデル」で高画質テレビの象徴となった。

ところが、2009年に堺市に大型液晶パネル工場を建てるなど投資を拡大した後、11年までの地上デジタル放送への移行による特需の反動と価格下落に直面。液晶への集中投資は経営悪化の一因となり、16年に台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の傘下入りを余儀なくされた。

東芝も18年、テレビ事業を中国家電大手の海信集団(ハイセンス)に売却。ブランド「REGZA(レグザ)」は、ハイセンスの子会社「TVS REGZA」に引き継がれた。

こうした事業再編の結果、現在は開発から製造、販売まで自社で抱える国内メーカーは一部に限られている。販売面でも中国勢の伸長と国内勢の退潮が目立つ。

調査会社BCN総研によると、国内薄型テレビ販売台数シェアは12年にシャープが首位の34.9%、パナソニックが2位の18.7%を占めていたが、25年には「TVS REGZA」が首位の26.0%、ハイセンスが3位の16.6%、TCLが4位の10.2%となった。(桑島浩任)

テレビは、エンターテインメントを家庭に届ける出口としての意味をなお持っている。一方で、工場で画質を作り込む製品から、ソフトで制御する製品に変わった。数を売らなければ利益が出にくいテレビ事業で、(ソニーが)規模を持つTCLと組み、基盤を共通化しながら差別化するのは合理的だ。

日本メーカーの画質はなお強みだが、それだけで巨大な事業を支えるのは難しい。パナソニックHDのスカイワースとの協業も同じ流れにある。ただ、欧米事業を実質的に切り離す形で、ソニーほど自社の事業として残す構図には見えにくい。世界で見ればテレビ事業はいまだに大きいだけに、良い市場だけを相手に渡した面もある。

中国企業と組むことを負けや技術流出のリスクと見る必要はない。相手の製造力や販売力、規模を使いながら、自社の技術を生かすオープンイノベーションと捉えるべきだ。通信機能を持つテレビは安全保障上の懸念も意識されるため、完全な中国ブランドではなく、日本企業が関与する意味は残る。問われるのは、日本企業が品質とブランドの信用を担保する立ち位置を築けるかどうかだ。(聞き手 桑島浩任)

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、産経新聞の記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
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