「桃太郎」EF210形が押す「セノハチ」越えの舞台裏 後補機の息合わせと密やかな出発

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Yuki Tanaka
経済 - 09 6月 2026

最後尾から総計1000トン近い貨車と牽引機関車を押す「桃太郎」ことEF210形機関車の運転席には、木吉優斗さん(32)が座っている。力持ちで優しいこの機関車は、山陽本線の難所「セノハチ」を越えるため、後ろから押す補助機関車(後補機)として活躍する。

令和阿房列車シリーズでは、元祖・阿房列車に倣い、登場人物は原則として仮名を使っている。実は差し障りがあるためだ。例えば「東船橋局長」のような仮名が使われる。

しかし、木吉さんの場合は「差し障りがない」と本人が言うため、実名で紹介する。同乗して取材対応してくれた上梓さん(仮名)も「腕は確かです」と太鼓判を押す。

この日、最後尾のコキ(25トン以上積載できるコンテナ貨車)にはコンテナが積まれておらず、視界が広い。通常は機関車の目前までコンテナが積まれ、補助機関車の運転士は前方が全く見えない状態だ。

細かな出発準備を終えた木吉さんは、さっそく無線電話で先頭の牽引機関車(本務機)の運転士と綿密に打ち合わせる。

「後補機(後ろから押す補助機関車)の運転士は、横の窓からしか外が見られません。なので本務機(牽引機)の運転士と、息をぴったり合わせないと『セノハチ』をスムーズにのぼれませんからね」と、上梓さんが的確に解説してくれる。

サンケイ3号君は動画撮影の準備に追われている。小さなカメラを固定し、機関車前方の風景を後補機が切り離される西条駅まで撮影する趣向だ。近日中にユーチューブの「産経鉄道チャンネル」で公開される予定。

「発車したら無駄口をたたかないでくださいよ。走行音の録音の邪魔になりますから」とサンケイ3号君に釘を刺される。

もちろん、わかっている。運転席でべらべらしゃべっていては安全運転に差し障る。軽妙なトークをお伝えできないのは残念だが、安全が第一だ。

本務機の運転士からの電話に「発車了解しました!」と指差確認した木吉さんが大きな声で応じる。すると、百閒先生風に書けば按摩笛のような汽笛が、まず本務機から、続けて後補機からも短く鳴った。息はピタリと合っている。

ガタンという連結器の音とともに、14時14分、1056列車は定刻通りに走り出した。

山陽新幹線を横目に府中大川の鉄橋を渡ると、しばらく市街地を走る。海田市駅を通過すると右手に瀬野川が見えてきた。まもなく難所の入り口である瀬野駅だ。というところで、「セノハチ」越えは明日のこころだぁ!(コラムニスト 乾正人)

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、産経新聞の記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
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