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日本プレスセンタービル(東京都千代田区)で6月25日、第41回正論大賞(フジサンケイグループ主催)の受賞記念東京講演会が開催された。笹川平和財団常務理事で麗澤大特任教授の兼原信克氏は、米中覇権競争の背景や台湾有事の可能性に言及し、「日本の覚悟が問われる」と強調。主な講演内容は以下の通り。
兼原氏は、中国が外国企業の進出に伴う技術移転や貿易を通じ、他国の産業を揺さぶり自国への依存構造を築いてきたと指摘。同時に半導体やAI(人工知能)などの先端分野で技術優位の確立を目指していると述べた。その上で、いわゆる「経済安全保障」は、自由貿易圏に入り込んできた中国が強くなり過ぎたことへの対抗策だと説明。現在のトランプ外交も、自由貿易下の「グローバリズム」に取り残された労働者層の不満と対中覇権競争が結びついたものだと分析した。
兼原氏はまた、アメリカ・ファーストを掲げるトランプ大統領が「ドンロー主義」の下、西側諸国との関係を悪化させていると指摘。一方で中国・ロシア・北朝鮮・イランは結束を強めており、国際社会の分断は深まっていると警鐘を鳴らした。
そんな中、今世紀最大の課題が台湾有事だと兼原氏は強調。日本は米軍の基地使用はもちろん、自衛隊による後方支援などの判断を迫られると指摘した。しかし、自衛隊は本当に軍隊として動けるのか、憲法9条により「必要最小限度の実力」とされている自衛隊は曖昧な存在になっていると問題視。対外的な軍事組織を国内の治安維持を担う警察的法理で縛れば、有事の際にリスクを負うのは自衛隊員だと述べた。そして「憲法問題について、国としての覚悟が問われている」と訴えた。
兼原氏は最後に、併せてインドやASEAN(東南アジア諸国連合)諸国との連携強化も必要だと強調した。