
アボット・ラボラトリーズは2026年第1四半期決算を発表し、3月に完了したExact Sciencesの買収によりがん診断が新たな事業セグメントとして加わったことを明らかにした。同社は大腸がん検査分野のリーダーを約3兆3000億円で手中に収め、歴史的な大型M&Aとなった。
買収額は3兆円を超え、アボットの歴史上最大規模の案件となった。大腸がん検査市場は年間約20%の成長が見込まれ、超高齢化社会を背景に需要が急拡大している。
アボットがExact Sciencesを選んだ背景には、非侵襲的な血液検査技術「Cologuard」の独占的ポジションと、同社の強力な販売網との相乗効果がある。がん検診の普及により、定期的な検査が不可欠となる中で、この買収は成長戦略の要と位置づけられる。
同社は「仕組みで回る成長モデル」を掲げ、検査機器のリース販売と消耗品の継続収益により安定したキャッシュフローを生むビジネス設計を構築している。このモデルは、一度導入された検査システムが長期にわたり収益をもたらす点が強みだ。
今後アボットはがん診断分野を第4の事業柱に育て、世界的な検査需要に応える方針だ。競合に対しては価格競争力と技術優位性で差別化を図り、医療費削減にも貢献する戦略を描いている。