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スペースXはイーロン・マスク氏に対して、最大13億株もの株式報酬と、まだ取得していない株式についても議決権を行使できる異例の権限を付与した。この制度は上場企業としては前例がなく、ガバナンスの常識を大きく逸脱していると専門家は指摘する。
取締役会の構成も問題視されている。マスク氏の側近や親族が半数以上を占め、独立性が低いため、株主の利益よりも経営者の意向が優先される構造だ。株主訴訟も複雑な株式構造によって困難になっており、チェック機能が働きにくい。
投資家やコーポレートガバナンス専門家の間では「正気ではない」「ぞっとする」といった厳しい批判が相次いでいる。特に上場後もマスク氏が議決権の過半数を握り続ける可能性が高い点が、資本市場の原則に反するとの声が強い。
このような権力集中は、スペースXの経営判断に柔軟性をもたらす一方で、リスクテイクが過度になる危険性もはらむ。火星移住計画など野心的なプロジェクトを推し進めるマスク氏に、外部からの抑制が利かない構造は、企業統治の新たな課題を突きつけている。
東洋経済オンラインの分析によれば、スペースXのガバナンス体制は、テクノロジー企業の急成長と株主保護のバランスを問う事例として、今後も議論を呼ぶことは必至だ。市場関係者は、この「常識破り」の試みが成功するかどうか、注視している。