
ソフトバンクグループ(SBG)は、AI関連投資の軸足を依然として米OpenAIに置いている。後藤芳光CFOは5月13日の決算説明会で「今はOpenAI中心で考えている」と明言し、急速に存在感を増す競合アンソロピック(Anthropic)などへの関心を否定した。同社は「人工超知能(ASI)のプラットフォーマー」を掲げ、トップを走るOpenAIとの連携を戦略の中核に据える姿勢を改めて強調した。
SBGが同日発表した2026年3月期連結決算は、売上高7兆7986億円(前年比7.7%増)、純利益5兆22億円(同333.7%増)と過去最高を更新。後藤氏は「日本企業として史上最高益」と胸を張る。時価純資産(NAV)も3月末時点で40兆1000億円に達し、この好調を支えたのが、中核投資先であるOpenAIと英Armの評価額の急上昇だった。
OpenAIの企業価値は1年で2600億ドルから7300億ドルへと約2.8倍に膨らんだ。SBGは2025年度に324億ドルを投資したのに加え、2026年10月までにさらに300億ドルを追加出資。累計で約646億ドル、保有率は約13%に達する見通しだ。後藤氏は「OpenAIはArmと並び、NAVの主要なドライバーだ」と述べ、研究開発力や豊富な計算資源への強い信頼感を示した。
一方、足元の米AI業界では、アンソロピックが開発した高性能AIモデル「Claude Mythos Preview」がサイバー攻撃への悪用懸念から一部パートナーに提供を限定し、日本政府も対応を迫られるなど、存在感が急浮上している。グーグルの「Gemini」の躍進もあり、「OpenAI一強」とは言い難い競争激化の様相だ。
これに対し後藤氏は「生成AI分野では、私たちはOpenAIと強いタッグを組んで進めるべきだ」と断言。理由として「OpenAIは先行してサービスのマーケットシェアを拡大した。競合が追う構図はむしろ業界全体の価値を高める」と説明。自身の投資判断は揺るがず、「OpenAIが多くの企業と共に成長する状態を目指す」と締めくくった。