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KANSAS CITY, MISSOURI – JULY 11: Breel Embolo #7 of Switzerland reacts after receiving a red card during the FIFA World Cup 2026 Quarter Final match between Argentina and Switzerland at Kansas City Stadium on July 11, 2026 in Kansas City, Missouri. (Photo by David Ramos/Getty Images)FIFAワールドカップ2026の準々決勝で、スイス代表FWブリール・エンボロ(モナコ)が歴史に残る退場劇を演じた。データサイト「OPTA」によれば、エンボロはW杯の舞台でシミュレーションにより2枚目のイエローカードを提示され、退場処分を受けた史上4人目の選手となった。最後に同様のケースが起きたのは、2006年ドイツ大会。ガーナ代表のアサモア・ギャン氏が決勝トーナメント1回戦のブラジル戦で退場して以来、実に20年ぶりの出来事である。
試合は現地時間11日、アルゼンチン代表とスイス代表の間で行われた。スイスは先制点を許したものの、67分にダン・ンドイのゴールで同点に追いつく。流れを引き寄せつつあるかと思われた矢先、72分に事件は起きた。すでに1枚のイエローカードを抱えていたエンボロが、ペナルティエリア内で倒れ込んだのだ。主審は当初、アルゼンチンのレアンドロ・パレデスがファウルを犯したと判定し、パレデスにイエローカードを提示した。
しかし、ここでVAR(ビデオアシスタントレフェリー)が介入する。映像を確認した結果、エンボロの接触はシミュレーションであると判断された。主審はパレデスへのイエローカードを取り消すとともに、エンボロに2枚目の警告を与え、退場を命じた。スイスはその後、10人で粘りの守備を展開し、120分間凌ぎ切ろうと試みたが、延長後半に2失点。1-3で敗れ、準決勝進出を逃した。
データサイト「OPTA」が指摘するように、W杯でシミュレーションにより2枚目のイエローカードで退場した選手は、これまでわずか4人しかいない。最初の事例は1974年大会のオランダ代表ヨハン・クライフによるものと言われるが、正確な記録が残るのは近年のものに限られる。2006年のギャン氏以来のケースとなった今回の判定は、VAR時代の厳格な基準を象徴する出来事でもある。
エンボロの退場は、試合の命運を大きく左右した。スイスは同点に追いつき、勢いに乗っていただけに、まさに自らの手で流れを断ち切る痛恨の行為だった。W杯の大舞台で、感情をコントロールできなかった代償はあまりにも大きい。アルゼンチン戦の敗退により、スイス代表の快進撃は幕を閉じたが、この一件は長く語り継がれることになるだろう。