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静岡県の鈴木康友知事は7日の県議会全員協議会で、JR東海によるリニア中央新幹線静岡工区の着工を容認する意向を表明した。川勝平太前知事は南アルプスのトンネル工事による大井川の流量減少などを懸念して着工を認めず、膠着状態が続いていたが、鈴木氏の政治判断によりリニア事業は大きな転換点を迎えた。
同社は静岡工区の早期着工を目指している。鈴木氏は、県が容認の条件として挙げていた地域住民への丁寧な説明を通じた理解醸成が進むとともに、工事に必要な同社の法的手続きも整ったと判断した。全員協議会で鈴木氏は「全体として、住民の理解は進んだものと認識した」と述べた。
これを受け、県とJR東海は18日に、着工の前提となる「自然環境保全協定」を締結する。協定は県の条例に基づく。
静岡工区は年内に着工する可能性がある。ただ完成までには10年以上かかると見込まれており、リニアの東京・品川―名古屋間の開業は2036年以降になる見通し。
県とJR東海は今年3月、大井川の水資源、トンネル工事で発生する土、南アルプスの生物多様性の3分野にわたる28項目の対話を完了し、静岡工区を巡り約10年続いた議論は節目を迎えた。これを受け同社は5~6月、静岡市のほか、大井川流域10市町で、水資源や生態系に関する環境保全策についての住民説明会を計22回実施した。
リニアは東京、名古屋、大阪の三大都市圏を結ぶ新路線。開業が実現すれば品川―名古屋間は最速40分、品川―大阪間は1時間7分となる。
静岡工区は静岡市葵区の北部を横切る約8.9キロの区間で、山梨、静岡、長野の3県にまたがる南アルプストンネルの一部。川勝氏の着工反対によりJR東海は24年3月、品川―名古屋間の27年開業を断念したが、川勝氏が自身の不適切発言により24年5月に電撃辞職すると、リニア推進を掲げる鈴木氏が知事に就き、対話が加速した。