t>

大阪・関西万博の閉幕から8カ月が経過した。大阪市の人工島・夢洲(ゆめしま)の会場跡地では大屋根リングやパビリオンの解体工事が急ピッチで進み、万博の余韻はほとんど消え去った。万博レガシー(遺産)を関西の経済成長につなげる必要性に迫られながら、跡地活用の具体策すら固まっていないのが現状だ。こうした中、高市早苗政権が策定する「地域未来戦略」が浮上のきっかけとなることが期待されている。
平日だった26日午後、かつて万博会場の玄関口として賑わった大阪メトロ中央線・夢洲駅には一般利用者の姿がほぼなく、静まり返っていた。駅周辺は工事用車両が行き交うのみで、万博開催中の熱気を感じさせるものは何もない。
万博閉幕後、政府と大阪府・市は跡地の活用計画を協議してきたが、具体的な方向性は示されていない。当初は国際会議場や展示施設の誘致が検討されたが、需要や費用面で調整が難航している。関西経済界からは「投資判断が遅れれば関西の成長機会を逃す」との声も上がる。
高市政権が今夏をめどにまとめる「地域未来戦略」では、万博レガシーを活用した産業振興や観光促進策が盛り込まれる見通しだ。特に再生医療や空飛ぶクルマなど万博で紹介された先端技術の実用化支援が柱になるとみられる。政権の主導力が跡地活用の成否を左右しそうだ。
一方、会場跡地の大屋根リングは一部を保存する案が浮上しているが、維持費や活用方法を巡って意見は分かれる。大阪市は今秋にも基本方針を策定する方針で、万博の「遺産」を次世代にどう引き継ぐか、関西全体の課題となっている。