
長男を交通事故で失ったことをきっかけに、被害者支援のNPO法人を立ち上げた児島早苗さん(75)が4月10日、奈良県大和郡山市内で講演した。児島さんは「誰も被害者にも加害者にもならない社会づくり」を訴え、命の重みについて参加者に考えを促した。
児島さんはNPO法人「KENTO」の代表を務めている。2000年5月、奈良高専4年だった長男の健仁さん(当時18)がミニバイクで通学中、生駒市内で宅配便のトラックと衝突し、亡くなるという悲劇に見舞われた。
事故後、警察から詳細な説明が得られず、宅配便の会社からはバイク側に原因があったと主張された。児島さんは「真実を知りたいという強い思いから、事故を再現するなどして独自に当時の状況を調査しました」と振り返る。その結果を奈良地検に提出したという。
児島さんは講演で、事故の真相解明の難しさや、遺族が直面する心の葛藤を語った。さらに、「この経験から、被害者の声を社会に届ける必要性を痛感しました」と強調。NPO法人を通じて、交通事故被害者の支援や事故防止の啓発活動を続けている。
参加者からは「同じような悲劇を繰り返さないために、私たちができることを考えたい」との声が上がった。児島さんは「一人ひとりが交通ルールを守り、思いやりを持つことが、社会を変える第一歩です」と訴え、講演を締めくくった。
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