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深刻な人材不足に悩む日本の介護業界では、外国人材の受け入れが急拡大している。外国人の介護人材を受け入れるためのいくつかのルートのうち、介護福祉士の国家資格を取得して、介護業務に従事する「介護」の在留資格(ビザ)での在留者が全国最多なのが大阪府だ。背景には、「国家資格は即戦力」と人材育成に力を注いだある医療法人の存在がある。
関西弁も交えながら笑顔で話すのは医療法人敬英会(大阪市大正区)が運営する介護老人保健施設で働いて8年目となり、ユニットリーダーを務めるベトナム人のグェン・ティ・ハウさん(32)。
先駆的に外国人を受け入れてきた同法人で現在働いている約80人の外国人職員は、いずれも留学して日本語を学び、介護福祉士の国家資格を得て、介護ビザを取得している。
外国人の介護人材を受け入れるルートとしては、特定の国との「経済連携協定(EPA)」に基づくもの▷「介護」ビザ▷技能実習制度▷特定技能制度-の4種類ある。全国的には学歴不問の技能実習と特定技能が主流となるが、大阪府では、介護ビザを取得した外国人労働者が令和7年6月末時点で2853人と、東京都の1761人を上回る全国最多で、全国の2割を占める。
同法人では平成20年に始まった政府の「EPA(経済連携協定)」によるベトナム人らの介護福祉士の受け入れに加え、ベトナムの大学と独自に協定を結び、語学留生をアルバイトとして雇っていた。29年に在留資格に「介護」が追加されたことを受け、介護福祉士を目指して日本語学校に入り、専門学校に修学する留学生を支援しようと近隣の学校と連携。留学生に寮を用意して施設でアルバイトしてもらい、資格取得後に雇用する体制を整えた。
翌年には、府内の7法人が参加する「大阪介護留学支援プログラム」に発展、グェンさんもこのプログラムを利用して来日した一人だ。プログラム自体は新型コロナウイルス禍で解消されたが、同法人は専門学校からの依頼を受け、今でも積極的に受け入れている。
同法人の光山誠理事長(61)は「外国人労働者の受け入れには社会的に賛否があるが、われわれは頼りにしないといけない。介護福祉士という国家資格があれば批判の声を極力少なくでき、即戦力として介護サービスの質もよくなる」と強調する。
同法人グループの老健施設「さくらがわ」(同市浪速区)の介護福祉士、西垣房恵さん(48)によると、受け入れ当初は外国人の介助を嫌がる利用者もいたという。それでも「積極的に話しかけるなど、本人たちの頑張りがあって、新しく外国人が来ても嫌がる声は聞かなくなった」と振り返る。
同施設には現在、約10人の外国人の介護福祉士がいるが、「仕事に支障はない」と西垣さんは話す。