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おもちゃ屋でまったく売れず、書店で即完売した知育玩具「LaQ」が、今や世界28カ国で愛されるまでに成長した。累積赤字8000万円を抱えた奈良の山奥の小さな会社が、10年にわたる苦難の末にたどり着いた意外な転機とは何か。その真相を探る。
LaQを開発したのは、奈良県山添村に本社を置く株式会社ヨシリツ。創業者の吉田氏は「最初は地元のおもちゃ屋に営業しても、『こんな変わったブロックは売れない』と断られ続けた」と振り返る。一般の玩具店では認知を得られず、累積赤字は8000万円に膨れ上がった。
転機はある書店からの注文だった。「子どもの工作本のコーナーに置いてみたら、1週間で完売したんです」(吉田氏)。書店の顧客層がLaQの持つ創造性や教育的価値を即座に評価した。この成功が口コミで広がり、全国の書店から問い合わせが殺到した。
その後、LaQは海外の教育関係者の目に留まり、欧米やアジア各国で販売が始まった。吉田氏は「海外では『ブロックでここまで細かい造形ができるのは初めて』と驚かれ、幼稚園や小学校の教材として採用された」と説明する。現在では28カ国以上に輸出されている。
この成功の裏には、10年もの間売れずにもがき続けた忍耐と、一度も製造品質を落とさなかったこだわりがあった。吉田氏は「売れない時期に社員と何度も話し合い、『この商品には必ず価値がある』と信じ続けた。あの苦難がなければ、今のLaQはなかった」と語る。小さな会社の執念が、世界市場を切り開いたのである。