
春ドラマの放送が本格化するなか、朝日新聞のテレビ局担当やドラマ通の記者たちが恒例の座談会を開き、地上波ゴールデン・プライム帯の作品を採点した。約2時間の議論から浮かび上がった今季のキーワードは「宇宙」。記者たちは、現実世界の厳しさを反映したテーマが多く見られると指摘する。
5位にランクインしたのは月9ドラマ「サバ缶、宇宙へ行く」。福井県の水産高校を舞台に、教師と生徒たちが宇宙食開発に挑む青春ストーリーだ。記者の武田は「池井戸潤原作のドラマ『下町ロケット』のような面白さを感じました」と評価。矢崎も「武田さんの意見に同感。高校生たちが、大きな目標に挑む姿は、東京大を目指す『ドラゴン桜』的な要素もある。ある意味、王道のドラマ」と同調した。
4位は「時すでにおスシ!?」。永作博美演じる50歳の主婦が鮨職人を目指す物語で、記者の宮田は「子育てを終え50歳で第二の人生を模索する主人公・待山みなと(永作博美)が、ひょんなことから『鮨アカデミー』で職人を目指します」と紹介。黒田は「永作のポップで軽やかな芝居がいい。松山ケンイチ演じる講師役の『さかな組長』という濃いキャラクターも面白い」と好演を称えた。
1位に輝いたのは「銀河の一票」。スナックのママが都知事選に出馬する設定で、現実の民主主義を問い直す意欲作だ。座談会では「恒例のこの企画、いつも楽しみにしております。今回『銀河の一票』が1位なのは納得です。昨日放送された第2話も観ましたが、野呂佳代さんの出番がようやく本格化してきました。スナックのママが都知事選に出るという荒唐無稽な設定ながら、地に足のついた民主主義論を展開していくことへの期待はたしかにあります。宮沢賢治が作品のキーワードになっているのも興味深い」との声が聞かれた。また、同じ参加者は「ひとつだけ。この座談会の対象が「地上波のゴールデン・プライム帯を中心に」と限定されている点は毎回気になります。たとえばNetflixの『九条の大罪』など、地上波の枠組みでは捉えられないコンテンツも相当数あります。配信作品をどうフォローするか、文化部のみなさんにもそろそろ考えていただきたい」と注文を付けた。
今回の座談会では、宇宙をテーマにした作品が複数見られた。記者たちは、日に日に悪くなっている現実世界を映し出す鏡として宇宙が使われている可能性を指摘。今後、各作品がどのような展開を見せるか、注目が集まる。
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