
生成AIブームを追い風に、村田製作所の株価がこの半年で約3倍に急騰している。市場は同社が世界シェア首位を誇る積層セラミックコンデンサ(MLCC)の需要拡大に注目しており、特にAIサーバー向けの受注が業績を押し上げている。
AIサーバー1台当たりに搭載されるMLCCの数は従来のサーバーの2倍以上に達する。さらに大規模言語モデルの開発競争が激化する中、データセンターの建設ラッシュが続いており、村田製作所の主力製品に対する需要は「倍々ゲーム」の様相を呈している。
同社はMLCCで世界シェア約4割を握る圧倒的な存在だ。小型化・大容量化の技術で他社を凌駕しており、AIサーバーが要求する高信頼性・高性能部品の供給源として欠かせない存在となっている。
ただし、AI特需の持続性には不透明な面もある。半導体市況の変動や地政学的リスク、競合他社の追い上げなど、リスク要因は少なくない。村田製作所は自動車向けや産業機器向けなど需要基盤の多角化を進めており、AI一辺倒ではない安定成長モデルを構築している。
中長期では、EVやIoTの拡大に伴うMLCC需要の伸びも見込まれ、同社の技術力と生産能力がさらなる成長を牽引する可能性が高い。AIサーバー特需の恩恵をいかに持続的な競争力に転換するかが、今後の株価を左右するカギとなるだろう。