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ヤマハ発動機と人気ゲーム『ゼンレスゾーンゼロ(以下『ゼンゼロ』)』のコラボレーションバイクが7月31日、東京・秋葉原に登場した。ゼンゼロの2周年を記念したイベント会場に展示され、集まったゲームファンたち、通称「プロキシ」が熱い視線を送りながらカメラを向けていた。
展示されたのは、『ゼンゼロ』に登場する人気キャラクター「ビリー・キッド」をモチーフにしたヤマハのネオレトロスポーツバイク『XSR900 GP』だ。ゲームの世界観をそのまま具現化したようなデザインが、会場の注目を集めていた。
『ゼンレスゾーンゼロ』は、HoYoverse(ホヨバース)が手掛ける都市ファンタジーアクションRPGだ。「ホロウ」と呼ばれる超自然災害によって現代文明が崩壊した世界を舞台に、プレイヤーは「プロキシ」という特殊な任務を請け負う専門家となり、文明最後の都市「新エリー都」を探索しながら隠された真実に迫っていくというストーリーが展開される。
サービス開始から2周年を迎えたことを記念するイベントは、7月31日から8月2日までの3日間、東京・秋葉原のベルサール秋葉原で開催されている。会場では2周年記念限定グッズの販売、コスプレランウェイ、ステージイベントなどが予定されており、その中でも特に注目を集めているのがヤマハとのコラボレーションバイクだ。
今回のコラボレーションが実現したきっかけは、ホヨバースがヤマハの『XSR900 GP』と、バイクを操るキャラクター「ビリー・キッド」との親和性を強く感じたことにある。ビリー・キッドのパワーアップ形態「スターライト・ビリー」の期間限定ガチャ登場を記念して、ホヨバースがグラフィックデザインを手がけたという。
コラボレーションのスローガンは「Ride Like a Hero」。最新機能を備えながら1980年代のレーシングバイクを彷彿とさせるスタイリングのXSR900 GPをベースに、スターライト・ビリーが持つストリート感とエネルギッシュな印象を融合させたデザインに仕上げている。リアルとバーチャルの境界を超えた、エキサイティングかつヒロイックなスタイルが特徴だ。
注目すべき点は、このコラボレーションが単なるデジタル上の再現ではなく、実際に走行可能な実車として製作されていることだ。ホヨバースのデザイナーが2Dでデザインを描き起こし、それをヤマハが実車へと落とし込んだ。車体グラフィックの表現方法には、通常のメーカーによるデザイン開発では考えられないような発想が取り入れられており、ヤマハ側にとっても「刺激になった」という。
今回のコラボレーションを担当したヤマハ発動機 ブランド統括部 ブランド推進部の岩崎慎氏は、車両の見どころについて「2Dで表現されたものが、実際に3D化されて出てきたというところが非常に大きなポイント。モーターサイクル業界では成り立たない、発想しないようなデザインが出てきて、ヤマハ側から見ても新鮮だと思っています」と語る。
さらに岩崎氏は「具体的には、バイクデザインの方程式で言うと、前から後ろにラインが繋がっていて、全体でデザインを表現する(という手法をとる)。でもこれを見ていただくと、それぞれにグラフィックが自己主張してたり、シートカウル単体でデザインがされてたりしています。そこが新鮮で、2Dから飛び出して来た感を味わっていただけるのかなと思います」と説明した。
ヤマハに限らず、バイクメーカーや自動車メーカーがゲームやアニメのキャラクターとコラボレーションする事例は少なくない。その中で、ヤマハがこうした取り組みを行うねらいとメリットについて、岩崎氏は「ヤマハのバイクになかなかリーチできない方々に、バイクやヤマハに触れ合うきっかけを提供することで、ブランドを知っていただきたいと思っています。ただ、闇雲にコラボすればいいとは思っていません。ゼンゼロさんからお話をいただいた時に、ユーザーさんがいわゆるゲーム好きな方だけではなく、女性も含めて多くのファンが楽しんでいると聞きました。会場を見ていただいた通りですが、バイクにも注目していただいて、本当にありがたいですね」と述べた。
コラボレーションを実施したからといって、コラボ先のファンがすぐにXSR900 GPやヤマハのバイクを購入してくれるわけではない。それでもヤマハとしては、こうした取り組みに積極的にチャレンジしていきたい考えだ。
岩崎氏は「そもそもブランディングというのは、今日やったら明日イメージが変わる、というものではありません。今回のコラボも含めて、継続すること、あとは一貫性を持ってやっていくこと。その2つが大切だと思っています。目の前の効果だけを見て、”やっぱりやめた”となっていいものではありません。今後もその部分に注力して、取り組んでいきたいと思っています」と将来への意欲を見せた。
「ゼンゼロ2周年イベント@ベルサール秋葉原」は、7月31日から8月2日まで各日10時から18時まで開催され、会場はベルサール秋葉原のEvent Spaceと1F Hall。入場は無料だが予約が必要で、期間中は専用LINEアプリにて整理券(無料・抽選制)が配布される。