
米司法省監察総監室は23日、性的虐待罪などで起訴され2019年に死亡した米富豪ジェフリー・エプスタイン氏に関する資料公開について、内部調査を実施すると発表した。この調査は、関連資料の公開を同省に義務付けた法律の順守状況を検証することを目的としている。監察総監室は、資料の収集や精査、黒塗り処理の過程が適切であったかを精査する方針だ。調査完了後には、その結果をまとめた報告書を公表するとしている。
司法省は今年1月末までに300万ページを超える膨大な文書を公表し、事件の幕引きを図ろうとした。しかし、エプスタイン氏と親交があったトランプ米大統領に関連する文書の欠落が発覚した。これにより、外部からは同省が情報を「隠蔽(いんぺい)している」との批判が相次ぐ事態となっている。情報の不完全さが、かえって事件への疑念を深める結果を招いた。
情報公開におけるプロセスのずさんさも、深刻な批判の対象となっている。開示された資料の一部で被害者の氏名が伏せられておらず、個人の特定につながったケースが報告された。本来、法律では捜査への支障や被害者の特定を避けるための情報は公開対象外とされている。それにもかかわらず、基本的なプライバシー保護が欠如していたことに非難が集中している。
この資料公開を義務付けた法律は、昨年11月に超党派の賛成で可決され、トランプ氏の署名によって成立した。国民の関心が高い事件の透明性を高めることが期待されていたが、現状はその運用に大きな疑問符がついている。野党の民主党はもとより、トランプ氏の支持層からも対応の遅れや不備に対する不満が根強く残っている。政治的な対立を超えて、公正な情報開示を求める声は大きい。
トランプ氏は、一連の対応を指揮していたボンディ前司法長官に対して強い不満を抱いていたとされている。その結果、今月2日にはボンディ氏の解任が発表されるという異例の事態に発展した。監察総監室による今回の内部調査は、崩壊しかけている司法省の信頼を取り戻すための重要な一歩となる。今後の調査の進展と、さらなる情報の開示の行方が注視されている。
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