t>

サッカーのワールドカップ(W杯)や政治経済、天気など身近な話題の結果を株取引のように売買できる「予測市場」が米国で急拡大している。的中すれば利益を得られる仕組みだが、実質的に賭けだとの批判も強く、欧州では当局が監視を強化。日本では自主規制に動く企業も出てきた。
W杯決勝を控えた12月18日、ニューヨーク・マンハッタンでは運営大手カルシのデジタル広告がビルに掲げられ、多くの人の目を引いた。アルゼンチン代表のスーパースター、メッシ選手がソファに座り「歴史は繰り返す?」と予測をあおる文句が並ぶ広告を、通行人が見上げていた。
市場では特定のテーマについて、将来その出来事が起きると思えば「イエス」、起きないなら「ノー」を購入する仕組みだ。契約1口当たり1ドル(約163円)が基本で、需給に応じてイエスが60セント、ノーが40セントなど価格が変動する。この価格は世間で考えられる確率と捉えることができる。
こうした予測市場はW杯でも注目を集めたが、業界関係者は「ギャンブル性が高く、健全な意見集約とは言えない」と指摘する。特にアメリカでは個人投資家が参入しやすく、取引額が急増。規制当局は金融商品としての監視を検討し始めている。
日本ではすでに一部の大手企業が自主規制に乗り出した。国内法の下で予測市場が賭博に当たる可能性を懸念し、サービス提供を自粛する動きが広がる。一方で、学術的な確率推定ツールとしての活用を求める声も根強く、業界の今後の対応が注目される。