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路地裏にひっそりと佇む、とあるBAR。ここには、さまざまな事情を抱えた人がやってくる。今宵も介護で疲れ切った人物が、重いため息と共にカウンターへと腰を下ろした。
全国で約690万人超——。これは、介護サービスの利用が不可欠な「要介護(要支援)」認定を受けている人の総数だ。決して他人事ではない数字が示すのは、日常に潜む予測不能な行動や、出口の見えない苦しみの連続である。
本連載『介護者たちの事件簿』は、一見不可解に見える被介護者の行動に潜む「謎」を、BARのマスターが鮮やかな推理で解き明かす物語だ。読者は気づきを得た客と共に、介護のイメージを少しだけ軽やかに捉え直すきっかけを得られる。
今回の焦点は、認知症の父親が「雨の日」に限って家とはまったく逆の方向へと姿を消すという不可解な行動。その背後には、記憶の断片や脳の処理機能が関係した、深い理由が隠されていた。
秋野ひろさんによるマンガ『介護者たちの事件簿』は、つらく重い介護の現実を、ユーモアと洞察でほぐしていくヒントを提供する。認知症の不思議な行動の謎を解く旅に、あなたも出かけませんか。