
香港の投資ファンド「オアシス・マネジメント」が、KADOKAWA経営陣への攻勢を強めている。オアシスは夏野剛社長CEOの業績悪化を指摘した130ページ超の資料を公開し、株主に株主総会での解任決議への賛同を呼び掛けている。KADOKAWA側は反論文書を公開して対抗し、対立が深まっている。
オアシスは21日、「より強いKADOKAWA」と題する133ページにおよぶPDF資料をウェブ上に公開した。
資料では、「夏野CEOの在任期間中に、業績は悪化の一途を辿っている」として、「世界的なゲーム開発企業であるフロム・ソフトウェアの価値を十分に取り込めず」「競争力の低下が続くニコニコ動画を放置してきた」「コスト規律の欠如により、固定費負担が増加」「不適切な資本配分及びM&Aの失敗」などを挙げた。
夏野社長就任以前の2021年3月期と就任から5年後の26年3月期の業績を比較し、営業利益は136億円から81億円に、1株当たり純利益は77.42円から8.71円にそれぞれ下落しているなど、具体的な数値を示し、業績悪化を強調した。
また、夏野社長がKADOKAWAのCEOとドワンゴ社長を務める一方、グリーホールディングスや日本オラクルなど国内上場企業4社の社外取締役を兼任していることを挙げ、「KADOKAWAの経営に集中していない」とも指摘した。6月24日に開かれる株主総会では、夏野社長の解任議案に賛成票を投じるよう株主らに呼び掛けている。
オアシスの動きにKADOKAWA側が反応。5月22日に、オアシスの公開した資料に関する文書をウェブ上に公開し、対抗姿勢を鮮明にした。
文書では、オアシス資料について、「当社の事業運営、経営改革の進捗、新中期経営計画の内容および取締役会の判断について、当社の認識とは異なる記載や、当社の取り組みが十分に反映されていない点が含まれているものと認識している」と主張。後日、社の見解を改めて示すとしている。
さらに、「現時点において社長CEOである夏野剛を解任することは、改革の継続性および経営の安定性を損なうおそれがあるものと考えている」とも記した。KADOKAWAは5月14日の取締役会で、当該の株主提案に反対する旨の取締役会意見を決議したという。