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長引く物価高騰は、もはや一過性の現象ではない。日本銀行が金利を引き上げられない特殊な事情と、資産インフレの影響が複合的に作用し、今後インフレ率が10%を超える懸念が現実味を帯びてきた。
日銀が利上げに踏み切れない最大の要因は、過去30年にわたる低金利政策で膨らんだ国債残高と、それに依存する財政構造にある。金利をわずかに上げるだけでも、国債の利払い費が急増し、財政破綻リスクが顕在化する恐れがある。
もう一つの要因が「資産インフレ」だ。株式や不動産などの資産価格が高騰する一方で、実体経済の賃金上昇が追いつかず、家計の実質購買力は低下し続けている。この歪みが消費の冷え込みとさらなる物価上昇を同時に引き起こす悪循環に陥っている。
昭和のバブル期と決定的に異なるのは、当時は賃金が物価に連動して上昇したが、現在は非正規雇用の拡大やグローバル競争により、賃金の下方硬直性が失われている点だ。これにより、物価上昇が家計を直撃し、社会不安を増大させる可能性が高い。
専門家の間では、日銀が出口戦略に失敗し、インフレ率が10%を超える「最悪のシナリオ」が現実になるリスクを指摘する声が強まっている。令和の物価高騰は、単なる生活費の負担増にとどまらず、日本経済の構造そのものを揺るがす深刻な問題へと発展しつつある。