「静かな退職」増加で成長志向が過去最低に 10年のデータが示す働き方の変化

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Mika Nakamura
経済 - 15 May 2026

「仕事を通じて成長したい」という意識が、年々薄れてきている。パーソル総合研究所の「働く1万人の就業・成長定点調査」によると、「働くことを通じた成長が重要だ」と考える正社員の割合が、初めて7割を下回った。

成長志向はピーク時から低下が続き、過去最低を更新。リスキリングや人的資本経営の重要性が叫ばれる一方で、現場の熱量は静かに下がり続けている。なぜ正社員は「冷めて」きたのか。10年分のデータをもとに読み解く。

成長志向の低下と並行して広がっているのが、「静かな退職」だ。会社を辞めるつもりはないが、がむしゃらに働かず最低限の業務だけをこなす状態を指す。

本調査では「転職意向がない」「出世・昇進意欲がない」「プライベートを重視」「月の残業5時間未満」「サービス残業ゼロ」の全条件を満たす従業員を「静かな退職者」と定義しており、その割合は2017年の3.4%から2026年に5.8%となり、2.4ポイント上昇した。

性別・年代別に見ると、女性やシニア層で割合が高い。同研究所シンクタンク本部の研究員、中俣良太氏は「育児や介護をしながら働く人は女性のほうが圧倒的に多く、静かな退職的な働き方をせざるを得ない状況がある」と分析した。

Z世代を中心に広がっているとの見方もあるが、「若いうちから残業を抑え続けて働くのは現実的に難しい」とし、実態は異なるとの見解を示す。人材の多様化そのものが、「静かな退職」を構造的に増やしているようだ。

静かな退職と一口に言っても、その実態は一様ではない。本調査では、働く幸福度と主観的パフォーマンスの高低を掛け合わせ、静かな退職者を4つのタイプに分類している。

幸福度もパフォーマンスも高い「戦略型」は、自ら働き方をコントロールしながら成果を出している層だ。一方、幸福度もパフォーマンスも低い「無気力型」は、意欲を失い最低限の業務をこなすだけの状態にある。この無気力型が、2021年の29.3%から2026年には41.8%まで急増した。

戦略型(2.3ポイント減)や、パフォーマンスは高いが仕事への充実感は低い割り切り型(11.8ポイント減)が減少する中、静かな退職の内訳は「やる気を失った層」に偏り始めている。

行動面の変化は、学びにも及んでいる。勤務先以外での学習・自己啓発について「特に何も行っていない」と答えた正社員は53.6%に達し、過去最高を更新した。管理職への意向も16.6%と過去最低だ。厚生労働省の「能力開発基本調査」(2024年)でも、正社員の自己啓発実施率は45.3%にとどまっており、過半数が学んでいない構図は統計でも裏付けられている。

中俣氏は背景として、働き方改革の「副作用」を指摘する。残業は減った一方で、業績向上への圧力は変わらず、仕事の余白がなくなった。日々の業務をこなすだけで手一杯になり、チーム内の助け合いや一体感が薄れる「関係性の希薄化」が、学びや挑戦に向かうエネルギーを奪っているという見方だ。

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、産経新聞の記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
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