
NHK放送技術研究所(東京都世田谷区)は5月15日、空撮ドローン「空飛ぶロボカメ」と「IP回線中継ドローン」を開発したと発表した。いずれも放送事業用の自営無線回線を活用し、空撮の安定性を高める技術だ。「NHK技研公開2026」(5月28〜31日、同所)で展示される。
「空飛ぶロボカメ」は、受信基地局の方向に自動で電波を送信することで映像の長距離伝送を実現する空撮用ドローンである。複数の小型アンテナを円状に配置しており、ドローンと受信基地局の位置情報を基に送信するアンテナを切り替える仕組みだ。
2025年12月に行った実験では、NHK技研(東京都世田谷区)の敷地内を飛行するドローンから、約8km離れたNHK放送センター(渋谷区)屋上の受信基地局まで、約40Mbpsの伝送レートで高画質な2K空撮映像を安定して伝送できたという。
一方の「IP回線中継ドローン」は、新開発の「小型双方向FPU(Field Pick-up Unit)」により、空撮映像の送信とドローンの監視・制御信号の送受信を自営無線回線だけで行える。通常、ドローンの制御には携帯電話回線を使用するが、小型双方向FPUによって携帯電話が圏外の地域や通信の輻輳(ふくそう)が発生する災害時でも安定した空撮が可能になる。
カメラ映像はIPパケット化して伝送可能。ドローン下部には無線LANアクセスポイントを搭載しており、地上端末との通信を中継できる。災害などで通信手段が途絶えた地域にドローンが臨時のIP回線を提供するといった応用も検討している。