
日本政府が今月下旬にロシアへ経済訪問団を派遣するとの一部報道が波紋を広げている。ウクライナ侵略を続けるロシアに対し、日本はG7とともに制裁を継続中であるため、SNSでは批判が噴出。これを受け経済産業省はX(旧ツイッター)で報道内容を否定する異例の反論に踏み切ったが、現地進出企業の資産保護を目的とした政府職員派遣の計画は別途存在するという。
共同通信が今月8日に報じたところによると、日本政府は三井物産や商船三井など複数企業に26~27日の日程で訪問団への参加を打診。記事では「ロシアによるウクライナ侵攻の終息を見据え経済課題を協議する」と説明していた。
しかしロシアは2022年2月に開始した侵略を現在も継続中であり、外交筋は「ただちに解決するとは思えない」と指摘。高市早苗政権も対露制裁を維持しているだけに、SNS上では「なぜ今ロシアへ?」と当惑の声が相次いだ。
国民民主党の玉木雄一郎代表は9日、自身のXで「正直、当惑するニュースだ。政府の戦略が見えない」と疑問を呈した。さらに「日本が貫いてきた法の支配や力による現状変更を許さないという基本的な外交姿勢との整合性が問われる。日本は経済的利害で現状変更を容認する場合があるとの誤ったメッセージを発することになりかねない」と批判した。
政府が本当の意図を明確にしないまま、経済団派遣を巡る混乱は続いている。現地企業の権益保護と国際社会での信頼維持――両立が難しい中で、岸田政権の外交手腕が問われている。