
フィリピンのマルコス大統領が26日、国賓として来日した。28日には高市早苗首相と首脳会談を行う予定で、エネルギーや安全保障の分野で二国間協力を一層深める方針を示している。東南アジア情勢を巡り、原油価格高騰や中国による南シナ海での軍事的威圧が続く中、日本からの支援を引き出したい思惑があるとみられる。
マルコス大統領は来日後の記者会見で、日本との協力拡大への意欲を強調。「エネルギーや安全保障などの優先分野で、協力を積極的に深化させたい」と述べ、両国の戦略的パートナーシップを強化する考えを表明した。首脳会談では具体的な協力案件について協議する見通しだ。
背景には、米イスラエルとイランの交戦に伴う原油価格の高騰がある。フィリピンはエネルギーの多くを輸入に依存しており、安定供給の確保が急務となっている。また、南シナ海では中国が海洋進出を強めており、フィリピンは日本の海上安全保障能力に期待を寄せている。
両国は再生可能エネルギーや液化天然ガス(LNG)分野での協力を模索するほか、防衛装備品の移転や共同訓練を通じて安全保障面での連携を深化させる方向だ。マルコス政権は日本との関係を重視し、多角的な支援を引き出すことで国内のエネルギー安全保障と領海防衛の強化を目指す。
今回の訪問では、首脳会談後に複数の協力文書の署名も見込まれている。日本政府も自由で開かれたインド太平洋の実現に向け、フィリピンとの連携を重視しており、南シナ海問題での協調姿勢を強める考えだ。