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埼玉県内の小学校で、水泳授業の実施場所を屋外から屋内に移す動きが加速している。民間プールの利用や公営温水プールの建設構想が相次ぐ背景には、学校プールの老朽化や猛暑の影響で水泳授業の実施が困難になっている実態がある。
行田市は、スポーツクラブ運営企業「スポーツフィールド」(本社・羽生市)に全小学校の水泳授業を委託。今年度から市内全12校が、同社の屋内プールで水泳実技を受けるようになった。
市の説明によると、従来は各校の屋外プールを使用していたが、設置から30年以上経過し老朽化が進行。維持・管理費も年々増加傾向にあった。
さらに近年は夏場の気温が35度を超える日が多く、水泳実技が実施できない日も発生。こうした課題解決のため、民間事業者の力を借りた水泳授業の導入が検討された。
児童らは送迎バスで屋内プールに移動。授業ではインストラクターと教師が連携し、児童の泳力に応じた実技指導を行っている。
同事業は令和5年度から複数の小学校で先行実施。天候に左右されずに水泳授業が行えるほか、専門性の高い指導が受けられることで「児童らの泳力の向上が期待できる」(市の担当者)という。
学校プールの老朽化が進み、大規模修繕が必要な学校もある本庄市は、小学全12校のプールを1つに集約し、屋内温水プールを備えた複合施設の建設を目指す方針を明らかにした。
建設予定地は共和公民館などの跡地。2階建てで、最大120人収容可能な25メートル6レーンの屋内温水プールのほか、会議室や多目的室を備え、地域住民の交流拠点としての役割も担う。総事業費は約31~34億円を見込み、11年9月の供用開始を目指す。
プール完成後は全学年で年4回の水泳授業を実施予定。市は「年間を通じて水泳授業の計画的実施が可能になる」とし、教職員の負担軽減にもつながると説明している。
各校の既存プールを維持した場合と比べ、30年間で約11億円の経費削減効果が見込めるという。
プールは授業以外の放課後や休日は一般開放され、小学生を含め年間約6万6000人の利用が見込まれている。
学校の水泳授業は子供たちが水に慣れ、泳ぎ方を覚える貴重な機会だが、泳げない子供の増加が懸念されている。水難事故防止の観点からも泳力向上が求められている。
埼玉県の調査によると、「クロールで25メートル以上泳げる」小学6年生の割合は、平成22年度に男子81.8%、女子77.2%だったが、令和5年度には男子54.3%、女子46.2%に低下。新型コロナウイルス禍で水泳授業が減少した影響が指摘されている。7年度は男子57.3%、女子47.6%とやや回復したものの、「クロールで5メートル以上泳げない」小6は男子9.8%、女子14.6%に上った。猛暑で実技ができない日が増え、子供たちの泳ぐ機会の減少も不安視されている。
中学校では、老朽化したプールの維持・管理が難しくなっていることなどを背景に、水泳実技を取りやめる学校も出ている。県によると、7年度に水泳実技を行わなかった公立中学は64校に上った。(三宅陽子)