
政府が経済安全保障上の理由から中止勧告を出したことで、アジア系外資ファンドMBKによる工作機械メーカー・牧野フライス製作所へのTOB(公開買付け)が頓挫した。関係者の間では「寝耳に水」と驚きの声が広がっている。
牧野フライスは航空機や半導体製造に使われる超高精度工作機械で世界的なシェアを持ち、その技術は軍事転用が可能とされる。経済産業省は外為法に基づき、MBKへの技術流出を懸念して買収中止を勧告した。
MBKは台湾系のプライベートエクイティファンドで、過去にも日本企業への投資実績がある。今回の買収は同社の成長戦略の一環だったが、政府の強い介入で計画は白紙となった。
牧野フライスの経営陣は買収提案に前向きだったとされ、突然の勧告に戸惑いを見せている。業界関係者からは「日本政府の経済安全保障政策が現実のものとなった」との声も聞かれる。
今後の焦点は、MBKがこの勧告に従うかどうか、あるいは牧野フライスの株式を取得する他の方法を模索するかだ。政府の姿勢次第では、外資による日本企業買収の新たな前例となる可能性がある。