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内田百閒の聖地巡礼 菅田庵の狐と令和阿房列車

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Haruki Sato
経済 - 19 6月 2026

いま、松江市にある菅田庵(かんでんあん)の入り口に立っている。1年ぶりにJR松江駅で落ち合ったサンケイ君も隣にいる。

東京から遠く離れた地で活躍中の彼は、私とは違い多忙だ。今回は「アレ」に乗るため島根県までわざわざ足を運んでくれた。

「アレ」がどの列車か分かる人は、かなりの鉄道ファンだ。アレは明後日以降(行き当たりばったりで書いているので私にも確かではない)、登場するからしばし待たれよ。

重要文化財であり松平不昧公ゆかりの茶室である菅田庵に、茶の心得のない二人がなぜ現れたのか。阿房列車の生みの親・内田百閒先生が訪れた聖地だからだ。

先生は昭和29年秋、山系君と共に東京を特急「はと」で出発。大津で2泊した後、急行「いずも」に乗り松江に3日後の夕刻に着いている。

もちろん用事などあるはずがない。暇を持て余した山系君が車を呼び、市内を巡ることになった。先生は気乗りしないまま車に乗り、菅田庵へ向かったが、森の下で車が止まり、庵まで歩くことになった。

「頻(しき)りに鵯(ひよどり)が鳴き、どこか離れた所から百舌(もず)の声がする。片側に暗い池のある所へ来た」(「菅田庵の狐(きつね)」より。新潮文庫「第三阿房列車」所収)

案の定、庵のすぐそこまで来て「もう帰りましょうと私が云(い)った」。庵でお茶を点てられては恐縮だからという理由だが、いかにも先生らしい。我々は先生が飲まなかった抹茶を72年の時を経て代わりにいただこうと、松江駅からタクシーを飛ばした。

だが庵は閉まっていた。開いているのは週末中心で、平日は休みが多いのだ。サンケイ君が「阿房列車と同じ結果になってよかったですね。最初から休みだとわかっていたんでしょ」とニヤニヤする。致し方ない。タクシーに戻り、松江城のお堀端にある小泉八雲旧居(小泉八雲記念館)へ向かおう。

運転手さんによると、3月末までNHK朝の連続テレビ小説「ばけばけ」(八雲夫妻がモデル)の効果で観光客が激増した。「ゴールデンウイークが終わると元に戻りましたが」と残念がるが、うらやましい。

14年前の大河ドラマ「平清盛」で神戸は主要舞台となった。わが実家は平家一族の邸宅跡(向かいの家は庭園跡だった)で、「平家まんじゅう」でも売り出そうかと考えた。しかし低視聴率にあえぎ、つくらなくてよかった。

ほどなく記念館前に着いた。立派な武家屋敷だが、百閒先生同様、中へ入らなかった。サンケイ君が忠告する。「菅田庵の狐」は、地元民が愛する名所旧跡を先生が素通りするのに怒った狐が化けて旅館に出てきた怪異談を交えた話で、阿房列車晩期の作品だ。

「そう云う所を見たって仕様がない」と先生は書くが、私は見たかった(本当に)。聖地巡礼を終えた我々は一畑電車の始発駅へ。菅田庵の狐が出てきたかどうかは、明日のこころだぁ!(コラムニスト 乾正人)

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、産経新聞の記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
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