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「アイスダンス」が一番の注目種目じゃないか-。フィギュアスケートの新シーズン本格開幕を前に、関係者からこんな声が聞こえてくる。男子シングルで頂点を極めた宇野昌磨と、同じくシングルで活躍した本田真凜(トヨタ自動車)が今季からアイスダンスに転向し、今秋の全日本選手権予選会で競技会デビューする。一方、ミラノ・コルティナ冬季五輪団体銀メダルに貢献した吉田唄菜、森田真沙也組(木下アカデミー)や昨年の全日本2位の櫛田育良=木下アカデミー=、島田高志郎(木下グループ)組といった実力者も健在。4年後の冬季五輪出場争いを巡り、国内は群雄割拠の〝新時代〟を迎えた。
この状況は、かつて宇野が口にした言葉を思い起こさせる。2021年11月のNHK杯エキシビションのトークコーナーで、男子シングルからアイスダンスに転向した高橋大輔さんが宇野にカップル競技への意欲を問いかけると、宇野はこう答えていた。
「自分を客観的に見た時に、スケーティングがうまい選手ではない。アイスダンスは一つカテゴリーが違うくらいスケートの芸術性を表している競技。僕は絶対に無理だなって。身長的にも思っています」
あれから数年後の現在、宇野はアイスダンスに真剣に取り組んでいる。転向を決意したのは24年10月。宇野が「五輪を目指して一緒にアイスダンスをやりませんか?」と本田を誘い、本田も「まだスケートでかなえないといけないことがある。昌磨くんとなら実現できるかもしれない」と応じた。昔から本田のスケーティングを尊敬していた宇野には、「真凜の良さを少しでもみなさんに見てもらいたい」という思いがあったという。
こうして宇野・本田組の参戦が決まったことで、国内アイスダンス界は2030年冬季五輪の出場枠を懸けた戦国時代に突入する。今秋の予選会でのデビュー戦は、新時代の勢力図を占う最初の試金石となるだろう。