
今月20日に開港48年を迎える成田空港の滑走路新設・延伸を巡り、用地買収が難航している。一部地権者の理解が得られず、成田国際空港会社(NAA)は4月、滑走路の供用開始目標の延期とともに、土地収用制度の活用検討を表明した。
4月10日、NAAの藤井直樹社長は千葉県成田市で開かれた地元自治体などとの会合で「(話し合いによって双方が合意する)任意取得に向けた努力は継続しつつ、最終的に土地収用制度の活用も考えている」と述べ、強制収用を検討する方針に理解を求めた。
かつての空港建設反対派も含め地元はNAAの交渉や対話の姿勢を評価する一方、「強制収用」には自治体の首長から慎重な対応を求める声が上がっている。地元自治体は過去の反対運動の経緯を踏まえ、強制手段の行使に懸念を示している。
成田空港は1978年の開港以来、段階的に滑走路を増やしてきた。今回の計画では第3滑走路の新設や既存滑走路の延伸が予定されており、国際的な需要増加に対応する狙いがある。NAAはこれまで任意取得に努めてきたが、一部地権者との交渉が長期化している。
今後の成否は、NAAと地元自治体、地権者の三者間の調整にかかっている。強制収用に踏み切れば、新たな対立を招く恐れもある。NAAは引き続き任意取得を最優先としつつ、年内にも制度活用の是非を判断する方針だ。