
国際医療福祉大学の社会保障政策研究所(東京都港区)は9日、「医療と消費税に関するシンポジウム」を開催し、消費税を巡る医療機関の負担問題を議論した。片山さつき財務相がメッセージを寄せ、「医療における消費税の問題は、医療機関の経営や地域医療の持続性にも関わる重要な課題だ」と指摘した。
シンポでは、医療機関が機器などの仕入れ時に支払う消費税を患者に転嫁できず、政府が診療報酬を上乗せすることで消費税負担を補塡(ほてん)している仕組みが議論された。参加者は、診療内容や規模の異なる医療機関で補填の過不足が生じる実態を問題視した。
この問題に対し、保険診療を非課税から課税としゼロ税率にする対応策について意見が交わされた。ゼロ税率を導入すれば、医療機関が機器などの仕入れ時に支払う消費税が控除(還付)されるため、現行の補填方式に伴う不公平感が是正される可能性が指摘された。
ゼロ税率の詳細な仕組みについて、シンポでは具体例を挙げた説明が行われた。非課税制度では仕入れ税額控除が認められないのに対し、ゼロ税率では控除が可能となり、医療機関の実質的な税負担が軽減されるという。
昨年10月の自民党と日本維新の会の連立政権合意書には、「医療機関における高度医療機器および設備の更新などにかかわる消費税負担の在り方の見直し」が盛り込まれており、今後の政策議論の行方が注目される。