NTTグループ、AIフルスタック戦略でGAFAMに挑む――「AIOWN」で存在感を示せるか

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Mika Nakamura
IT - 11 May 2026

NTTグループは、AI関連サービスの具体的な取り組みを公表した。ネットワークやデータセンターといったインフラから、データ・ソフトウェアプラットフォーム、アプリケーションまでを一貫して提供するフルスタック体制により、GAFAM(Google、Apple、Facebook=現Meta、Amazon、Microsoft)と肩を並べる潜在力を持つとされる。はたして、GAFAM級の存在感を発揮できるのか。

「AIが新しい技術の中でもかつてないスピードで社会に浸透しつつある。本日はそうしたAI時代を支えるNTTグループのAIネイティブインフラについて説明したい」――NTTの島田明氏(代表取締役社長 社長執行役員 CEO)は、2026年4月27日に開いた記者説明会でこう切り出した。同社がAIインフラをテーマに記者会見を開くのは、筆者の記憶では初めてだ。

島田氏は従来のICTからAI時代への変化について、次のように説明した。「AI活用が進展することによって、インフラ環境に求められる要件が変化してきている。GPU搭載サーバを使ったAI処理が中心となり、それに伴ってネットワークでのAIの応答速度が重要になってきている。また、データセンターは立地の良さだけでなく、GPUの計算能力を最大化するための発熱対策が必要になるなど、従来のICTからAI活用を前提とした新たなアーキテクチャのインフラへ転換する必要がある」(図1)。

「お客さまのAIの使い方も変化しつつある」と同氏は続けた。その変化について「大規模汎用AIモデルによる汎用的な業務での活用から、今後は専門的な業務や機微な情報を扱うコア業務への適用やAIエージェント、その先には車やロボットなどフィジカルAIの領域まで広がる。AIワークロードは学習から推論が中心になる」との見方を示した(図2)。

「AIの活用領域はさらに広がり、さまざまな企業の拠点や車、ロボットなどに使われるようになると、エッジサイドにコンピューティング資源を配置する必要がある。また、より専門分野やコアな業務へのAI活用の進展に伴って機微な情報やインテリジェンスを守るためにセキュリティ対策も一層重要になる」と説明した(図3)。

島田氏は、そうしたニーズに応えるAIネイティブインフラに求められる4つのポイントと5つの技術要素について図4に示し、「NTTグループはこれら5つの技術要素の全てを提供している」と胸を張った。

また、データセンターのケイパビリティ(MW=メガワット数)におけるシェアについて「国内でトップ、グローバルで第3位」と述べた。グローバルでは幅広いフットプリントがあり、「2030年度までに3GW(ギガワット)超へ拡充する予定」とのことだ(図5)。国内についても大幅な拡充を図る予定で、詳細は発表資料を参照されたい。

島田氏が説明したAIネイティブインフラの名称は「AIOWN」(エーアイオン)だ。AIOWNは「GPUやネットワーク、電力といったリソースを最適化し、エッジまで含めたオペレーションを担うセキュアなAIネイティブインフラ」を指す。従来の次世代ネットワークインフラ「IOWN」(アイオン)にAIを組み合わせた形で、NTTグループは今後AIOWNをAIインフラのブランドとして前面に押し出していく構えだ(図6)。

NTTグループは2026年5月8日の2025年度決算会見でも、成長戦略事業としてAI関連サービスの説明に力を入れていた。その中から、NTTドコモとNTTデータグループの取り組みを見ていこう。

「さらなる成長に向けたAI活用として中長期的に軸となるのは、データ基盤とAI活用を支える次世代インフラだ」――NTTドコモの前田義晃氏(代表取締役社長)は決算会見でこう切り出した。「1億人超の会員基盤から得られるデータとAIを掛け合わせ、新たな価値創造につなげる。通信基盤についてもAI時代を支える次世代インフラへと進化させる。さらにこのインフラ環境で各種サービスを通じて顧客接点を広げ、データとAIによって価値へ転換したい」と説明した(図7)。

データとAIによる顧客提供価値の最大化に向けた接点として、AIエージェント型サービス「SyncMe」(シンクミー)のパイロット版を提供開始したことを明らかにした。前田氏によると「このサービスは単なる便利なAIツールではない。通信や金融、エンターテインメントなどあらゆる接点から得られるデータを統合して、お客さま一人一人に最適な体験を先回りして提供する。お客さまにとって新しい“パートナー”となる存在だ」とのこと。パーソナライズされたAIエージェント「パーソナルエージェント」は今後激戦市場になると見られ、NTTグループはスマートフォンを“窓口”に参戦する構えだ(図8)。

同氏はさらに、SyncMe向けに構築してきたAIエージェントプラットフォームをパートナー企業のサービスやデータとも連携できるようにしてエコシステムを広げる考えを示した(図9)。

「今後、AIの進化により、認知能力の向上に続いて、物理空間への実装が進むものと見ている。われわれはこのAIの進化を新たなビジネス機会と捉え、さらなる事業成長につなげたい」――NTTデータグループの佐々木裕氏(代表取締役社長 CEO)は決算会見でAIの進化の捉え方についてこう述べた(図10)。

その上で同氏は「このようなAI時代においてイニシアチブをとるため、2025年12月に米国シリコンバレーで設立したNTT DATA AIVistaでは順調に高度AI人材の登用を進めているところだ。日々進化するAI技術をタイムリーに取り込み、当社のAI戦略の中核としてお客さまへの価値提供を推進する。NTT DATA AIVistaはコアAIプラットフォームを開発する。このプラットフォームは業務手順を最適化するAIエージェントのワークフロー機能、顧客データや業界知見を整理してAIエージェントに適切な情報を提供するデータマネジメント機能、AIエージェントの用途に応じてLLMを使い分けるLLM連携機能を備えている。さらにこのプラットフォーム上で、お客さまの業務に最適化した業界特化型のAIを提供する」と説明した(図11)。

さらに「データセンターやソブリン(主権)クラウドを中心とした高機能なAI-Readyインフラをフルスタックで提供する。コアAIプラットフォームと連携し、ソブリンやセキュリティの要件に応じたソブリンAI環境を実現できる」と述べた(図12)。

これまで紹介してきたように、NTTグループはAI関連サービスをフルスタックで提供できるのが大きな強みだ。GAFAMと比べた場合、競合する領域がある一方で、AIOWNやソブリンAI環境などはパートナー関係になり得る。とりわけインフラにおいてはAIOWNがグローバルでどれだけ浸透するかがカギとなるが、それはIOWNに対しての見方と変わらない。

島田氏は会見で、AIインフラを中心とした投資について「今後5年間で約2兆円を計画している」ことを明らかにした。GAFAMと比べると桁違いだが、選択と集中によってどの領域で強みを発揮するか。そのためにはインフラもさることながら、管理プラットフォームやアプリケーション領域で独自の存在感を発揮したいところだ。

昔の「電電ファミリー」(電電は「日本電信電話公社」、現NTT)を想起するつもりはないが、GAFAMと伍する可能性があるのならば、NTTグループを軸とした日本ならではのAIビジネスエコシステムを構築してはどうか。同社の腰もだいぶ低くなったのではないか。NTTグループの一連の会見を聞いてそんな期待を抱いた次第である。

フリージャーナリストとして「ビジネス」「マネジメント」「IT/デジタル」の3分野をテーマに、複数のメディアで多様な見方を提供する記事を執筆している。電波新聞社、日刊工業新聞社などで記者およびITビジネス系月刊誌編集長を歴任後、フリーに。主な著書に『サン・マイクロシステムズの戦略』(日刊工業新聞社、共著)、『新企業集団・NECグループ』(日本実業出版社)、『NTTドコモ リアルタイム・マネジメントへの挑戦』(日刊工業新聞社、共著)など。1957年8月生まれ、大阪府出身。

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、ITmedia NEWSの記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
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