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茨城県は11日、外国人不法就労の防止を目的に導入した通報報奨金制度の運用を正式に開始した。通報受付開始にあたり、県は通報者向けのガイドラインを策定。市民団体などから「差別や偏見を助長する」との導入慎重論が寄せられたことを踏まえ、制度の対象を不法就労者を雇用する事業者や斡旋ブローカーに限定し、労働者個人に関する通報は受け付けないと明確にした。
通報は、県のホームページからアクセスできる「不法就労情報提供システム」で随時受け付けている。システムへのアクセスは簡便で、インターネット環境があれば誰でも利用可能だ。
通報者は、自身の氏名、住所、電話番号、性別を申告した上で、運転免許証などの顔写真付き書類の画像を添付し、外国人を不法就労させている事業者の名称や具体的な状況を届け出る必要がある。
県は、通報内容に基づき聞き取りや事業者への戸別訪問などを実施した後、入管難民法違反(不法就労助長)の疑いがある場合、県警に情報を伝達する。県警による摘発に結びつけば、通報者1件につき1万円の報奨金が支払われる。ただし、提供された情報の調査状況に関する問い合わせには、通報者本人を含め一切応じない方針だ。
ガイドラインは、差別や誹謗中傷を目的とした通報や虚偽の通報を防ぐために策定され、適切な通報と不適切な通報の具体例を明記している。県は、制度の趣旨を誤解なく伝える狙いがあると説明する。
適切な通報の例として、「自身の勤める会社に不法就労者がいる」「ブローカーから『不法就労者を雇わないか』と声をかけられた」「同業者が不法就労者を雇用していることを喧伝している」といった情報を挙げた。一方、不適切な例としては「多数の外国人が農場で働いている」「留学生がアルバイトをしている」「外国人労働者の配偶者・子がアルバイトしている」などを示し、個人の在留資格の有無に基づかない通報を戒めた。
通報前に確認すべきチェックポイントとして、「通報内容は事業者やブローカーなどに関するものか」「推測や印象に基づき判断していないか」「差別的な表現や誤解を与える言い回しはないか」「場所、状況などは整理されているか」の4点を提示している。
この報奨金制度は、全国最高水準にある茨城県内の外国人不法就労を防止するために導入された。県は今後、事業者に対する雇用状況調査の実施などを盛り込んだ条例の制定も目指しており、在留管理の公正性を強化する方針だ。県の担当者は「通報は不法就労の防止に欠かせない重要な情報源。制度の適切な運用のため、ガイドラインの記載内容を理解し、適切な通報への協力をお願いしたい」と述べている。(森山昌秀)