
日本は依然として、大国同士の会談を不安そうに見守るだけの国であり続けるのだろうか。5月半ばに北京で開催が見込まれる米中首脳会談を、単なる貿易摩擦の調整と見なせば、その本質を見誤る。
中国はレアアースの精製と輸出管理を掌握し、米国はドル決済網と先端技術規制を掌握する。両国は互いを傷つける刃を手にしているが、その刃は自国の市場にも向き直る。
米中は一方的な衝突に突き進んでいるわけではない。互いを人質に取りながら、共倒れを回避する「休戦」を管理しようとしている。この視点を欠かせば、国際情勢の読みは浅くなる。
このような構図が、日本に新たな危うさをもたらす。米中が衝突すれば、台湾海峡、半導体、エネルギー、金融の各分野は大きく揺れる。
一方、米中の握手によって日本が自動的に安全になる保証はどこにもない。大国同士の妥協は、しばしば周辺国の不安を置き去りにする。歴史がその教訓を繰り返し示している。