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「億ション」が様変わりしている。現在都内で供給されている1億円台の新築マンションは、「億」という仰々しい響きとは裏腹に、いまや背伸びをすれば共働き世帯でも手が届く存在になった。
マンション調査会社トータルブレインによれば、首都圏で供給された平均価格が1億円以上の新築マンションは、2025年に6772戸を数えた。好立地でファミリー向けの住戸を探そうとすれば、1億円未満で買える新築を探すほうが難しくなっている。
かつて億ションといえば、高級住宅街にたたずむ静謐な邸宅や、ビジネス街にそびえる豪奢なタワーマンションを想起させた。首都を掌中に収めていた億ションは、いつからコモディティー化したのか。
過去に都内で供給された平均販売価格が1億円台の物件を振り返ると、四半世紀でその姿は一変した。1億円で買える住戸の広さは、港区の102㎡から23区外の66㎡へと縮んでおり、同じ「億ション」でも中身は大きく変わっている。
億ションの変遷をたどることは、東京の住宅市場そのものの変化を映し出す鏡でもある。価格帯はそのままに、手に入る広さや立地が変わることで、億ションは特別な存在から現実的な選択肢へと移り変わってきた。