
日曜の休み、女性は反戦デモに行く予定だった。しかし夫からは「デモなんてやってもしょうがないよ」と言われ、意見の違いからケンカが続いている。そんな女性のもとに、夜の街を回る猫の遠藤平蔵が訪れ、そっと声をかける。
作者の深谷かほるさんは、「世の中が大変なことになってきましたね」と語る。アメリカとイスラエルによるイラン攻撃に端を発した石油問題は先行き不透明で、高市早苗首相は党大会で憲法改正について「時は来た」と発言した。深谷さんは「日本国憲法ができてから約80年、改憲についてここまで真剣に考える必要に迫られたのは初めてではないでしょうか」と指摘する。
「賛成・反対・無関心のほかにも、話したい人・話したくない人と、それぞれスタンスが分かれるところだと思います」と深谷さん。家族や身近な人と意見が分かれてつらいという声をよく聞くといい、「真剣だからこそ、議論は容易でないかもしれません。でも、人任せにはできない大事なことです。大事な人とはぜひ、話し合ってほしい。お互いに力になるような話ができる国民になりたいと、私は思います」と述べた。
漫画「夜廻り猫」は、猫の遠藤平蔵が心で泣いている人や動物たちの匂いをキャッチし、話を聞く作品だ。泣いている人々は病気や離婚、新しい家族への戸惑いなど、さまざまな悩みを抱えている。遠藤は片目の子猫「重郎」とともに夜の街を回り、SNS上では「自分のところにも来てほしい」と人気を集めている。
深谷かほるさんは1962年福島生まれの漫画家で、「ハガネの女」「カンナさーん!」などの代表作を持つ。2015年からTwitterで「夜廻り猫」の連載を開始し、第21回手塚治虫文化賞・短編賞を受賞。単行本12巻が2026年5月に講談社から発売予定で、スピンオフ「居酒屋ワカル」の単行本も2024年11月に発売されている。
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