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日本では伊藤博文を暗殺した「テロリスト」として知られるが、日本統治下の朝鮮で独立運動家として名を刻んだ安重根。その遺墨が空前の高値で競り落とされ、日韓を越えた争奪戦が繰り広げられている。とくに「獨立」と記された一作が関心の的だ。その理由を探る。
安重根の遺墨は近年、韓国国内だけでなく日本や中国のコレクターの間でも高い人気を集めている。特に「獨立」の書は、朝鮮独立への強い意志を簡潔に表現した作品として評価が高い。2023年のオークションでは約1億5千万円で落札され、話題となった。
この高騰の背景には、安重根の生涯を描いた映画『英雄』(2022年公開)のヒットがある。映画では彼の独立運動と暗殺行為がドラマチックに描かれ、韓国で観客動員400万人を突破した。日本でも一部で上映され、関心が高まった。
日本国内に残る安重根の遺墨は現在、数点が確認されている。東京の私立博物館や個人コレクターが所蔵するものの、多くは非公開だ。近年は日本側の所蔵者が韓国の収集家に売却するケースが増えており、価格は年々上昇している。
日韓関係が冷え込む中、安重根の遺墨は政治的な象徴としても注目される。一方で文化財としての価値も評価され、両国の研究者が共同で保存・研究を進める動きもある。遺墨をめぐる争奪戦は、今後も続きそうだ。