
国連本部で27日、核不拡散条約(NPT)再検討会議が開幕した。米ロ間の核軍縮枠組み「新戦略兵器削減条約(新START)」が2月に失効するなど、核兵器をめぐる状況は厳しさを増している。
阿部信泰・元国連事務次長(軍縮問題担当)は、新START失効後の後継条約が不在のまま、米ロが質的な核戦力強化を進め、中国も核弾頭数を増加させている現状を「核軍縮に逆行する動き」と指摘する。北朝鮮問題も依然としてNPT体制に影を落としている。
米国とイスラエルによるイラン攻撃について、阿部氏は「核拡散を防止するために武力を行使していいのかという問題」を提起。イランはNPT加盟国であり、本来はIAEAによる査察と安保理の権限に基づく対応が正しい道だと述べた。
しかし、実際には米国とイスラエルが「いきなりイランを攻撃して核関連施設を破壊し、指導者を殺して体制転覆を図る方向で核武装を阻止しようとした」と阿部氏は批判する。
このような武力行使は、かえってイランの核武装を加速させるリスクを伴う。NPT体制の空洞化が懸念される中、再検討会議では核軍縮と不拡散の両立に向けた真摯な議論が求められている。
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