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ニチレイは17日、サイバー攻撃によるシステム障害で停止していた低温物流業務を再開したと発表した。受発注を一部制限した上で、冷蔵倉庫などを部分稼働させたという。障害の影響を受けた全拠点について、来週中の正常稼働を目指す。食品を低温管理して消費者まで届ける最大手の停滞は、スーパーなどでの冷凍食品の欠品から学校給食のメニュー変更まで広範囲に波及し、サイバー攻撃に対する脆弱さがもたらすリスクを改めて浮き彫りにした。
サイバー攻撃の懸念は、高性能人工知能(AI)の登場で一層高まっている。ニチレイの出荷が再開しても「すべてが元通りになるには時間がかかる」(関係者)との見方もある。正常化に向け、原因究明なども急務となる。
ニチレイは冷凍食品の国内最大手で、主に子会社が担う低温物流関連の取引先は競合他社も含めて、小売りや外食など幅広く5000社にものぼる。物流業界に詳しい流通経済大の矢野裕児教授は「(ニチレイに)倉庫での食材保管から店舗への配送など物流を一括で委託している企業もある。そうした委託企業に影響が出たのだろう」と話す。
外食大手の日本ケンタッキー・フライド・チキン(KFC)は、17日時点で臨時休業した店はないが、納品に支障が続いている。同社広報は「ニチレイの障害が判明した14日以降、店舗によっては商品の一部品切れ、営業時間の短縮などの対応をとっている」と明かす。
流通大手のイオンもニチレイのシステム障害判明後、冷凍食品の代替調達などを進めているが、広報担当者は「店舗によっては一部冷凍食品の商品の品切れや品薄となる状況が続いている」と話す。
近年、サイバー攻撃に伴うシステム障害が物流に影響を与える事態が目立っている。2025年9月にサイバー攻撃を受け、ビールや飲料などの商品を出荷するシステムに影響が出たアサヒグループホールディングスは、全商品の出荷再開までに約半年を要した。8日に発表した25年12月期連結決算では、サイバー攻撃が約400億円の減益要因となり、純利益は前期比36.7%減となった。
25年10月にサイバー攻撃を受け、商品の受注や出荷停止を余儀なくされた通販大手のアスクルの場合、全面復旧まで3カ月以上かかり、26年5月期連結決算で純損益が赤字に転落した。(永田岳彦)