
かつて「ヤクルト1000」の大ヒットで注目を集めたヤクルトだが、ブームは一巡し、国内事業は販売本数と利益の減少に直面している。免疫維持を謳う主力商品の訴求力を再構築するとともに、販売網の中核であるヤクルトレディの働き方改革が急務となっている。
2020年代初頭に起きた「ヤクルト1000」ブームは、睡眠の質向上やストレス緩和効果が話題となり、一時は品薄状態が続いた。しかし、競合商品の台頭や需要の一巡により、現在の販売本数はピーク時から大幅に落ち込んでいる。
ヤクルトの強みは、乳酸菌シロタ株による免疫維持の科学的研究にある。同社は新たなエビデンスの確立と、健康意識が高い層へのアプローチ強化で、再び差別化を図ろうとしている。
一方、国内販売の要であるヤクルトレディの高齢化と人員減少が深刻な課題だ。働き方改革として、勤務形態の柔軟化やデジタルツール導入による営業効率化を進め、販売力を維持・強化する方針である。
米系ファンドなど投資家からは、国内市場の縮小と収益性低下への懸念が根強い。免疫維持という根幹価値の再発信とヤクルトレディ改革の成果が、今後の信頼回復と株価安定のカギを握るとみられる。