リニア一番列車への誓い 「なかのりさん」を知らなかった3号君

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Haruki Sato
経済 - 13 6月 2026

次元さん(仮名)が大きなバッグから取り出したのは、「中乗(なかのり)さん」など木曽の地酒300ミリリットル6本詰めセットだ。しかもちゃんと冷えている。クールな男は、やることもクールである。

つまみは、飛驒高山の赤かぶら漬けを細かく切ったものを、サンケイ2号君がパックに詰めて持参している。完璧だ。

あっという間に「中乗さん」が空き、これも木曽の酒である「七笑」のキャップを開けた。

一番若いサンケイ3号君が、屈託なく質問した。鉄道のことならなんでも知っている彼も民謡は知らなかった。次元さんもポーカーフェースを装っている。ショックだ。

中乗さんとは、木曽の山奥で切り出された檜(ひのき)や杉を川下りさせる際、組んだ木材の中央に乗り、命を張って舵(かじ)をとった「筏(いかだ)乗り(中乗り)」のことだ。

「木曽のナ~、なかのりさん 木曽の御嶽さんは なんじゃらほい」で始まるかの有名な「木曽節」を、今まで聞いたことがないようなのである。

クラシックもいいが、小中学校では、もっと日本の民謡を教えてもらいたい。3号君や次元さんの今後のために、ぜひ一節うなりたかったが、紳士たる者、むやみに公共の場を騒がすわけにはいかない。残念だ。

まもなく中津川だ。女性運転士の指差確認は、きびきびしていて実に気持ちがいい。4列シートで飾り気のないグリーン車の乗り心地も申し分ない。「七笑」のボトルも空になったところで、2号君が突然、「左を見てください!」と叫んだ。

何事かと見れば、左手に「中央新幹線 岐阜県駅(仮称)工事中!」という大看板が、のどかな山あいの農村に出現した。JR中央西線美乃坂本駅の近くで、巨大な橋脚もあちこちで建てられていた。

中央新幹線とは、品川―名古屋を40分で結ぶリニア中央新幹線のこと。岐阜県駅は島型プラットホーム2面と副本線を持つ高架駅になる予定で、駅の近くでは、リニア車両の一大拠点となる中部総合車両基地(仮称)も造成中だ。

工事は意外と進んでいるように見えたが、最大の難所である南アルプストンネルの工事が、前静岡県知事のあれこれがあったため、静岡工区でまだ着工していない。都心の大深度トンネル工事の本格化もこれから。「私が生きている間は、リニアに乗って名古屋に行けないかもなあ」と愚痴ってみたが、誰一人として「そんなことないですよ」とは、言ってくれなかった。ならば、老醜をさらして生き延び、リニア一番列車に乗ってやろうと、神に誓ったところで続きは、明日のこころだぁ!(コラムニスト 乾正人)

編集部注:この記事はAIを使用して作成されており、産経新聞の記事を元に、内容を変更せずにリライトしたものです。
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