
3月以降の地方首長選で、自民党が支援する候補者が敗れるケースが相次いでいる。2月の衆院選で圧勝した高市早苗内閣は発足から半年が過ぎた今も高支持率を維持するが、地方まで勢いは波及していないとの指摘が出ている。自民内には「地方首長選は国政とリンクしない」との楽観論もある。しかし、来春の統一地方選に挑む党関係者にとってはひとごとではない。
衆院選で316議席を獲得して大勝した自民だが、3月以降の戦績は芳しくない。3月8日投開票の石川県知事選では、自民推薦の現職が無所属新人の元金沢市長に敗北。首相が現地入りするなど自民が全面支援しただけに、党内に大きな衝撃が走った。
同29日の東京都清瀬市長選は自民推薦の現職が共産、社民両党推薦の元市議に敗れた。東京では4月12日の練馬区長選でも自民などが推薦した元都議が無所属新人に敗れており、「2連敗」を喫した格好だ。自民が支援した4月の地方首長選の結果は、練馬区長選を含めた20選挙中11勝9敗だった。
各地の地方首長選の敗因について、自民関係者は「高い内閣支持率を残すなど自民が国政で調子がいいときほど、地方では保守分裂が起きる」と指摘。別の自民関係者は地方で多選の現職を自民が自動的に支援する事例が増えているとした上で、「対立候補が若かったり、女性だったりして刷新感をアピールされると、大変厳しい構図になる」と分析した。
相次ぐ地方での敗北を受け、自民の地方組織の危機感は強まっている。6月18日告示、7月5日投開票の滋賀県知事選を巡り、自民県連は民主党衆院議員出身の現職の対抗馬となる独自候補の擁立断念を決定。全国の首長選で相次ぐ自民支援候補の苦戦が背景の一つにあるという。別の地方選でも積極擁立を控える動きにつながる可能性も出てきている。