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伊藤穣一・千葉工業大学長が、政府の起業支援構想「グローバル・スタートアップ・キャンパス(GSC)」の運営委員を務めていた問題で、小野田紀美科学技術政策担当相は17日の衆院内閣委員会で、「海外に精通しているので助言をいただいた」と述べ、同氏の起用が適切だったとの認識を示した。これは、米国の性的人身売買事件で知られる故ジェフリー・エプスタイン氏との交友関係が問題視されている点を踏まえた、与党側への答弁である。
GSC構想は、岸田政権が掲げる「新しい資本主義」の目玉事業の一つ。世界有数の研究者や起業家を日本に呼び込み、先端技術分野での起業を促進する計画だ。東京・恵比寿と中目黒の間にある国有地に建設予定の拠点施設は、建設費だけで従来の想定の2倍超となる970億円規模に膨らむ見通しで、すでに野党などから「規模が大きすぎる」との批判が相次いでいる。
この日の委員会で、中道改革連合の後藤祐一議員は、伊藤氏がエプスタイン氏からの資金提供などを理由に、2019年にマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボ所長を辞任した経緯を挙げ、「その後に政府が任命したことは問題ではないか」と追及した。
これに対し小野田氏は、伊藤氏について「海外のイノベーション・エコシステムに精通しており、海外の大学や企業、投資家とのグローバルネットワークを有している」と評価。その上で、「MITメディアラボ所長を退任し一定の責任を取っていること、当時MITが委託した法律事務所の報告書で客観的な事実関係が整理されていたことから、助言をいただいた」と説明し、起用の経緯に問題はないとの立場を強調した。また、「意思決定権はなく、あくまで助言者として関与した」と述べ、伊藤氏が政策決定に直接関与していない点を付け加えた。
伊藤氏は2024年からアドバイザー、その後エグゼクティブアドバイザーを経て、昨年7月からは運営委員会の構成員として中心的役割を担ってきたが、今年3月に退任している。政府としては、同氏の国際的ネットワークを評価する一方、エプスタイン氏との関係が再びクローズアップされることを警戒し、事実上の“距離置き”に動いたとの見方もある。