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金子恭之国土交通相は15日、熊本県の球磨川支流・川辺川に計画する大規模ダムについて、土地収用法に基づく事業認定を告示した。ただし、未取得の用地に対する強制収用手続きは保留し、任意での取得を目指して所有者側との協議を継続する方針を示した。
事業認定は、洪水対策として長年論争を呼んできた川辺川ダム計画の重要な節目となる。国は強制収用を一時的に停止することで、地権者との協調的な解決を優先する姿勢を明確にした。
球磨川流域は過去にたびたび豪雨被害に遭い、2020年7月の記録的な大雨では多くの死者が出た。事業認定の理由書では、ダム建設により「洪水被害を軽減させ、住民の生命、財産の保全に寄与する」と明記されている。
国は2027年度の本体工事着工、2035年度の完成を目標に掲げる。九州地方整備局川辺川ダム砂防事務所によると、用地取得は大部分が完了し、水没予定地の549世帯の家屋移転も既に終了している。
一方で、環境破壊を懸念する地元住民からは根強い反対の声が残っており、今後の協議の行方や社会的合意形成が課題となっている。