
米政府関係者は28日、イランとの交渉について60日間の停戦延長やホルムズ海峡の開放などを柱とする暫定合意に達したと記者団に明らかにした。恒久的な戦闘終結を目指す交渉の中間成果と位置づけられ、イランの核開発問題に関してはこの期間中に詳細を詰める方針だ。ただ、合意を盛り込んだ覚書の署名に必要なトランプ米大統領の承認は得られていないという。
ベセント米財務長官は28日の記者会見で暫定合意について問われ、「全ては大統領がどうしたいかにかかっており、彼は米国民にとって悪い合意は結ばない」と述べた。財務長官はトランプ政権内でイラン交渉の主要プレーヤーの一人とされ、その発言は政権の慎重姿勢を反映している。
米ニュースサイトのアクシオスなどが報じたところによると、交渉は26日に大筋で合意に達した。米政府関係者によれば、暫定合意にはホルムズ海峡の航行安全を確保するための共同監視メカニズムも含まれているという。
イラン側は国内で必要な承認を取り付け、覚書に署名する準備が整ったと米側に回答した。米側はトランプ氏が「数日考える」として承認を保留したという。両政府間の調整はなお続いている。
トランプ氏の最終判断は不透明だが、同氏が過去に「完全な非核化」をイランに要求してきた経緯を踏まえれば、暫定合意がそのまま最終合意につながる保証はない。今後の交渉の行方は、中東の安定と国際的な原油価格に影響を及ぼすとみられる。