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長崎市の端島炭坑(通称・軍艦島)の元島民でつくる「真実の歴史を追求する端島島民の会」は16日、東京都内で記者会見し、軍艦島が朝鮮半島出身者にとって強制連行された「地獄島」だったとする論調に反論するドキュメンタリー映像の試写会を開いた。制作費はクラウドファンディング(CF)で目標額の600万円を達成した。
タイトルは「軍艦島の真実を追い求めて~報道の噓と戦い続ける元島民たち~」。
昭和30年放送のNHK番組「緑なき島」が、戦時徴用を巡る虚偽情報が拡散する契機となったとされ、令和7年3月にNHK会長が元島民側に謝罪するまでの経緯をまとめた。
島民の会によると、一連の経緯について検証番組の制作をNHK側に求めたものの、応じられなかったため、自主制作に踏み切った。映像は韓国語版も制作しており、海外にも発信される。
端島炭坑を運営した三菱石炭鉱業高島鉱業所の元副所長で、島民の会の会長、田中實夫氏(92)は、「端島で働いてきた者にとっては、端島ではあり得ない坑内映像を使用され、それらをもとに『地獄島』『強制労働の島』『生きて帰れない島』という汚名を着せられ、名誉を傷つけられた。端島の歴史に対する侮辱で許せない」と批判した。
そのうえで、「動画の作成を要望したが、NHKは取り合うことなく拒否した。動画の必要性に鑑み、独自に取り組むこととした」と説明した。
約25分の映像では、「緑なき島」の映像が韓国メディアや教科書でも使用され、類似した映像が韓国映画『軍艦島』に取り入れられた経緯を紹介。番組を巡って、元島民側がNHKとの間で調停などを行った一連の経過も収録した。
また、「はいつくばって掘るしかない狭さ」「一年中ふんどし姿だった」とする元徴用工らの証言に対する元島民らの反論のほか、韓国メディアが戦時中の軍艦島での朝鮮人労働者として使用した画像が、実際には戦後の福岡県内で撮影されたものだったこと、朝鮮半島出身者と内地出身者の賃金について、当時の経理担当者が「同じように計算した」と賃金格差を否定する証言なども盛り込まれている。
島民の会の中村陽一氏(88)は「NHKは当然、自らの放送の中で検証しなければならない。それをしないから、われわれがやるしかない」と指摘。「われわれが死んだ後、どうなるか分からない。何が何でも検証動画を作り、記録を残さなければならない」と語った。NHKの井上樹彦会長は昨年12月、就任に先立つ記者会見で、「緑なき島」を巡る謝罪について報道するかどうかを問われ、「NHKの自主自律の中での判断ということになる」と述べている。映像はサイト「軍艦島の真実─朝鮮人徴用工の検証─」で16日中に公開する予定。(奥原慎平)