
来月1日のメーデーを前に、連合の中央大会が29日、東京・代々木公園で開かれた。芳野友子会長はあいさつで、政府や経済界が進める労働時間規制の緩和に苦言を呈した。一方、出席した高市早苗首相はこの問題には触れず、賃上げ環境の整備を強調するにとどめた。大会では賃上げの定着が評価される一方、規制緩和を巡る認識の隔たりが目立った。
連合がまとめた今春闘の最新集計では、定期昇給を含む正社員の平均賃上げ率は5.08%となり、3年連続で5%台を維持している。高い賃上げの流れが続く中、芳野会長はこの動きを評価しつつも、実質賃金の改善にはなお課題があるとの認識を示した。物価高が続く中、労働者の購買力向上には更なる努力が必要との見方だ。
芳野会長は「賃上げが定着し始めてきた」と述べる一方で、「実質賃金がプラス基調に定着するにはまだまだ。全国津々浦々での賃上げ実現に向け、いま一度心合わせを」と訴えた。中小企業への波及や物価上昇を上回る賃上げの必要性を強調した形だ。
大会には高市首相が出席し、現職首相のメーデー参加は4年連続となった。高市氏は「雇用と所得を増やす強い経済の構築に向けて、全力で取り組んでいく」と述べ、賃上げを後押しする政策の充実を検討していると明らかにした。経済全体の成長を通じて所得向上を図る方針を示した。
しかし、政府が同時に進める労働時間規制の緩和について、首相は一切言及しなかった。連合は過重労働や長時間労働の懸念から規制緩和に反対しており、両者の立場の違いが改めて浮き彫りとなった。過労死遺族からも懸念の声が上がっている。
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