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高市早苗首相(自民党総裁)は6日の参院決算委員会で、自民党の動画に対し視聴者が「いいね」ボタンを押す反応が少なかったとして「ショック」だと述べた。参政党の神谷宗幣代表の質問に答えた。
神谷氏は、選挙の際のインターネット広告について質問した。「選挙期間中、紙のビラには枚数制限があるし、ポスターには掲示場所の制限がある。街頭演説や選挙カーにも一定のルールがあるが、ネット広告についてはルールが追いついておらず、資金があればいろいろなことができるという野放しの状況になっている」と問題提起した。
神谷氏はユーチューブやSNSの動画に関し「政党の認知に大きな影響を与えるが、有権者から見るとその動画が自然に広がったものなのか、広告によって大量配信されたものなのか、分かりにくい」と指摘。首相に対し、2月の衆院選で自民党がネット広告に投じた費用をただした。
首相は、令和8年分の党の政治資金収支報告書の提出期限が来年3月であることから「収支報告書の一部となる広報関係費について事前に示すことができない」と述べ、回答を避けた。
神谷氏は「われわれも同じ条件だ。わが党は4600万円ぐらいかけた」と明らかにした。その上で、自民党の動画について「メーンの広告などで1.6億回、関連の動画を入れたら2億回くらい再生されている。1.6億回のメーン動画に『いいね』数は4.1万回しかない。コメント数は7900件ぐらいしかない。いいねがこんなに少ない。0.026%だから、おそらく広告で回ったものが多いと考えられる。われわれもやっているから、同じように比較して(計算が)できる」と指摘した。「いいね」は視聴者が動画に好感を持った際にボタンを押すことで得られる反応だ。
神谷氏は参政党がかけた費用をもとに、自民党が動画にかけた費用を類推した。「われわれは4600万円をかけて4000万回の視聴を獲得したから、単純計算で1視聴あたり1.14円だ。だから、1.6億回の視聴を広告だけで得ようと思うと最低1億8000万円だ。もし2億回とすれば2億3000万円規模の広告費が必要となるというのが概算で出る」と述べた。「どこまで広告か分からないし、ルールがないから違法ではない」と付け加えた。AIを利用したフェイク動画の存在や、「スマホ農場」と呼ばれる大量のスマートフォンを用いて再生数などを人工的に水増しするという不正も可能だという問題を挙げ、選挙期間中のネット広告の上限設定、誹謗中傷やフェイク動画の作成依頼や投稿の禁止などのルールを設けるよう求めた。
首相は「自民党の動画で『いいね』が少なかった話、今、ショックを受けながら聞いていた」と述べた。ネットを利用した選挙を巡り、AIを利用して作成した画像の表示義務や大規模プラットフォーム事業者に対し選挙への悪影響を軽減するための措置の義務付けを盛り込んだ公選法などの改正案が衆院で可決されたと説明。「有料インターネット広告の在り方については、政治活動は原則自由とされているなかでの政党の政治活動の新たな規制となり、表現の自由や政治活動の自由にかかわる。各党各会派で議論してもらうべきものだ」と述べるにとどめた。
神谷氏は「自民党が一番おカネを持っており、資金力で勝負するとわれわれは勝てない。上限を各党で話し合って決めるべきだ」と重ねて訴えた。(沢田大典)